桜魔ヶ刻 登場人物紹介

桜魔ヶ刻 登場人物

天望 鵠 (あもう くぐい)

白銀髪に紫がかった藍の瞳。25歳。
花栄国の退魔師。ただし正規に協会に登録していない。一時期名を上げ、かつて最強の退魔師と呼ばれていた。両親は名家の出身だが同時に駆け落ち者であり、戸籍を誤魔化すために長く一人で退魔師として生きてきた。神刃の呼びかけに応えて桜魔王を倒す決意をする。

ある意味真面目。話が進むと登場当初の冷酷さよりは穏やか……に見せかけて、卑怯上等なのでやっぱりろくでもない男かもしれない。正義なんて興味なし、勝てばそれでいい系勇者。

御剣 神刃 (みつるぎ しんは)

濃紫髪に朱金の瞳。15歳。
朱櫻国の退魔師の少年。並の人間よりは戦闘の才能があるがまだ未熟。桜魔王を共に倒す仲間として鵠に協力を求める。養父・火陵や実の両親のことで心に傷を負いながらも、大陸の平和を取り戻すために桜魔と戦い続けている。桜魔を深く憎み、彼らを滅ぼすことを自分の使命と捉えている。

生真面目。でも阿呆の子。目標に一途過ぎて時々周りが見えていない。神刃のポジションが正直勇者なのかその相棒なのか実はヒロインなのかは作者にもよくわかっていない。

嶺 朱莉(れい しゅり)

濃紫髪に朱金の瞳。17歳。
朱櫻国の退魔師の少女。桜魔を支配下における「魅了者」という特殊能力の持ち主。神刃とは二年前のとある事件からの付き合いで因縁があるが、現在はお互いに桜魔王を倒す目的で協力している。かつての事件で神刃を恨みながら、同時にその不器用な生き方を心配もしている。

「朱き桜の散り逝く刻」の主人公。彼女と神刃の因縁の詳細に関してはあちらをどうぞ。二年で性格が大分変わったようです。

蚕(さん)

白金の髪と瞳。見た目は10歳にも満たない子ども。
桜魔の少年。しかし、生まれた瞬間から桜魔王を倒すと言う目的を持っていてその理由はわからないと言う。強い退魔師を探して鵠たちと出会い、桜魔王を倒すため彼らの仲間となった。その実力は神刃を軽く上回り鵠にも匹敵する。素性は桜魔にしても特に謎だらけだが本人は至って明るく飄々とした性格で、精神的には大人のように安定している。

主人公たちが正義と言えなくなる要因その1。作者の好きなタイプの似非ショタっ子。

桃浪(とうろう)

紅い髪と緑の瞳。見た目は二十代半ばの青年。
桜魔。何よりも戦いを好み、そのためなら平気でどんな無茶もやってのける戦闘狂。人々に仇なす辻斬り。しかし育ての親である華節を桜魔王・朔に殺害されたことを契機に同族を裏切って強引に鵠たちの仲間になる。これまで人間を何人殺してもまったく気にしていなかったが、鵠や神刃たちのことは気に入っているようだ。

主人公たちが正義と言えなくなる要因その2。こいつを仲間にしている時点で鵠の手段を選ばない面が出ている。

朱櫻 蒼司(しゅおう そうじ)

濃紫髪に朱金の瞳。14歳。
朱櫻国の若き少年王。父王・緋閃の暴虐の後始末として桜魔から大陸を救うことを望んでいる。桜魔王を倒すために行動する神刃の協力者の一人。桜魔王との戦いを見越して退魔師協会と連携している。基本的に穏やかな性格だが、王国の立て直しを自ら決意するだけあって、やる時はやる性格。

王様、王子様という言葉の恩恵をまったく受けない人。境遇的には苦労人のはずだが本人は向いているのか、それ程自分の身の上を悲惨だとは思っていない。

辰(しん)

神刃や朱莉の知人の情報屋。あまりの神出鬼没っぷりに最近二人から呆れの眼差しで見られてきている。実は朱櫻国王の間諜。情報屋として働く時は辰、間諜としての務めを果たす時には彩軌と名乗っている。神刃に対しては彩軌(さいき)、朱莉に対しては辰と名乗っていた。自称、永遠の24歳。

彼に関しても朱莉主人公の「朱き桜の散り逝く刻」を読んでいただければわかりやすいかと。

天望 葦切(あもう よしきり)

緑褐色の髪と淡褐色の瞳。24歳。
花栄国において退魔師の名家、天望家の現当主。もちろん自身も腕利きの退魔師である。鵠の両親についての事情も当主として知り、自分より強いと噂のあるはとこ・鵠に複雑な感情を抱いていた。

鵠の親戚。しかしお互いすでにいい齢した男なのであまりごちゃごちゃ言わない。実際に鵠と出会ったことで、色々なわだかまりは溶けたのでしょうかね?

蝶々(ちょうちょう)

黒髪黒瞳の美女。20歳。
朱櫻国の退魔師。朱莉のかつての相棒であり、道を別った今も彼女に昔の儘の友人として接している。朱莉と神刃が関わった二年前の事件のことも知っている。今は国王蒼司に協力して、退魔師協会の現場纏め役。

本来もう少し活躍があるはずでしたが、作品全体を削って可能な限り短くまとめようとしたらまず真っ先に出番が削られました。すまぬ。

兵破(びょうは)

二十代半ばの青年。筋肉自慢の大男。
朱櫻国の退魔師。元々は正規の退魔師ではなかったが、国王の呼びかけに応えて王都の退魔師協会に属すことになった一人。余所者に対して初めは厳しく接するが、一度実力を認めれば打ち解けるのは早い。

蝶々とセットで動く役どころとして登場させる予定でした。つまり蝶々の出番が削られた以上は彼の出番も(略)。

朔(さく)

白銀髪に桜色の瞳。26歳。
桜魔王。ただし、先代に無理矢理おしつけられた地位を嫌っていた。人類を滅ぼさねばならない立場のはずだが、全くやる気がなく普段はのんびり朱の森で暮らしている。自分の気に入らない者や桜魔王の地位を狙って来る相手には容赦がない。

マイペース魔王。色々と不幸。朱の森で側近二人と過ごした日々が一番穏やかでした。

早花(さはな)

黒髪に黄緑の瞳。二十代半ばの女性。
桜魔王・朔の側近の一人。幼い頃朔に拾われて共に育ったため、彼に恩義を感じている。

何故か色々な話によく出してしまう生真面目側近女騎士キャラの系統。その中でも一番真面目かもしれない。

夬(かい)

金髪に青い瞳。二十代半ばの青年。
桜魔王・朔の側近の一人。元は載陽の弟子だったが、朔に誘われて彼の側近になる。

飄々と自分の望むように生きているように見せかけて、意外と忠誠心が厚い。

載陽(さいよう)

灰色の髪と瞳。四十代後半の男性。
夬と祓の師であり、夢見の上官。厳格な性質で教師役のように朔に色々と小言を言う。

桜魔側では色々な功績を打ち立てた人物のはずですがあの扱いですよ。

祓(はらえ)

淡い茶の髪に紫の瞳。14、5歳の少年。
載陽の弟子で部下の一人。師である載陽を深く尊敬している。

気付いたら桜魔側に潤いとなるような若者がまったくいなかったので。師の載陽はもちろん朔たちの世代とも年齢がずれているので、結末としてもまぁ新しい道をってことで。

夢見(ゆめみ)

蒼い髪に紅い瞳。二十歳程度の女性。
戦闘狂で半ば壊れかけたような性格。載陽の部下の一人だが、彼に対する思い入れはない。

女性だけどバトルバカ枠。まったく物を考えないわけではないが、その全てが自分自身でもどうでもいいという狂気の中にいる。でも人生楽しそう。

華節(かせつ)

金髪に金の瞳。四十代前半の女性。
王になることを目論見、朔に近づいてきた壮年の女桜魔。凄腕の剣士でもあり、養い子である桃浪に自分の剣を教えた。

もうちょっと出番があるはずでしたがやはりエピソードを削った関係で(略)。なんだかんだで桃浪は華節を気に入っていたし、彼女も桃浪のことは最後まで頼りにしていたんでしょう。

火陵(かりょう)

水色の髪に金色の瞳。享年26歳。本編開始三年前に亡くなった。
神刃の養父。昔、退魔師として未熟だった頃の鵠を助けたことがある。かつての主君の妹から息子である神刃を託され、育てていた。神刃自身に実父、緋閃王を殺させるために。

最初は彼の話を書くつもりでしたがいつの間にか没になって「桜魔ヶ刻」が始まってました。