二次創作の話とか

最近二次創作とかもやってますという話。

二次創作に関してはサイト関係以外にももろもろやる気があった15年以上前にある程度やって、しかし二次創作ばかりやってても一次創作が上達するわけじゃないし、時間の無駄じゃないかと思ってその後10年以上やってなかったんですよね。

そういうわけでこの歳で二次創作なんかやってもなぁ(と言いつつ推しCPの作品が少ないので少しでも人口を増やすために書いてた)という感じだったのですが、実際やってみると昔とはまた違った発見があるなと。

昔は正直、自分の書く一次創作と二次創作の作風に違いがなかった。だからこそ二次創作をしても一次創作が上達するわけではないという結論でした。

しかし最近始めた二次創作だと、そういう労力を省きたいという省エネ的な意味でも簡潔な作品を目指した結果、これまであまり書かなかった純粋な恋愛ものの条件みたいなものを意識する形になりました。

――何故惹かれ、どのように愛するのか。

恋愛ものの醍醐味はNL、BL問わずこれじゃないかと。

だからどのような枚数でもそこがわかるように描かなければならない。

このキャラは、相手のことが本当に好きなんだな。
本気で愛しているんだな。

と、思える描写を作品の中核としなければならない。
言葉にすれば当たり前のような話でも、人間はこうしてかなり主題としてはっきりとした形で言葉にしないと意識できないもんだなと。

今までの作品作りは一次二次問わず、恋愛以外の人生とか野心とか復讐とかそういう目的の達成に主眼が置かれていたために、この要素を私はあまり意識して書いて来なかった。描くとしてもあくまで主目的の下に存在する副次的な要素で、それを中心にしようと思うことがあまりなかった。

今回ハマっているのは原作描写極小のCPであるため、片方のキャラが相手をどのように好きかを見たい……だからこそ書く! という動機で始まっているためか、人生で一番真剣に小説の恋愛描写について考えている気がします(それでいいのかお前の人生)。

何故その相手に惹かれたのか、相手の外見ではなく性格や性質、生き方のどこを美しいと思ったのか。
どのように愛するのか。相手の幸せを願い己の身をも捧げるのか、それとも嫉妬や独占欲で相手を閉じ込めたりその自由を奪いたくなったりするのか。

そういう、作者である私自身が「こういう作品を見たい」を注ぎ込んで、自分が燃えたり萌えたり美しいと思ったりしたカップルの形を書くのが恋愛小説なんだなと。

何故か二次創作BL小説によって、一次創作の真髄とも言えそうな感覚を教えられています。これは……自分の萌えにより二次創作をやるにしても正直予想外の副産物……。

あとは年齢制限ものの話だと、受け攻めどちらの視点で書く方が面白いか、どちらにも利点があるから散々迷った末に天啓を得ました。

そんなに好きなシチュエーションならもう一作書け。

二次創作なんだから一作の完成度を極限まで上げることなど考えずに、自分が好きなものは二度だろうが三度だろうが何作でも書け、と。

一次創作のようにその一作で芸術品足りえるか、できなかったらそれはそれで良さはあるとしても結果的に駄目、とかそういう理想の高い尺度とは別の感性で作業できたため、今まで一次創作に集中していた時とは違う結論がいくつか得られました。

考えてみれば一次創作でも何作も同じテーマでやっている気がするんですけどね。

一次創作と二次創作は全然別物ではあるんですが、両方とも作品つくりには間違いないわけで、共通するノウハウも間違いなくある。

今回は良い意味でそのノウハウを二次創作作業側から吸い上げられた気がします。

あんまり二次創作ばっかりしていたら一次創作の時間がなくなるのは最もな話ですが、二次創作の方が基本は短文で完成させていくという意味ではこれまで書いたことのない作風や作業の修練にも一応なりますし、一次創作に差し支えない範囲で今後もちょこちょこ書いて行こうかなと。

現状だと一次創作はもちろん二次創作の時間をも奪う敵はやはり健康問題のほうですので、体調が許す限り今後も一次、二次共に色々書いていきたいなと思います。