薔薇の皇帝 27

第19章 鳥籠の針を進める者

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「……さない」
 剣によって祭壇に縫い付けられた国旗をロゼウスは睨み付ける。両手には砂と変じてしまった弟の遺体を握りしめて。
「赦さない。――ルルティス=ランシェット!」
 もはや道は別たれた。和解も妥協もありえはしない。
 血を吐くような叫びが教会に響く。

「俺が必ず、殺してやる」