劫火の螺旋 劫火の螺旋 06 第6章 劫火(後編) 32.国王 深くフードを被った人物が縛られて馬に乗せられている。その周囲に四人の男たちがいて、更に彼らから少し離れた後ろを猛々しい戦士と十名程の小隊がついてきていた。 軍人の一行ということだけはかろうじて判断できる... 2024.08.10 劫火の螺旋
劫火の螺旋 劫火の螺旋 05 第5章 劫火(前編) 26.開戦 砂漠地域に多大なる影響を及ぼす帝国の皇帝に対し、ベラルーダ国王ラウルフィカは臣下の失態を贖わねばならなくなった。 「本当に、自ら戦場へ出向くおつもりですか」 皇帝の望みは、ベラルーダを通じてその隣国プグ... 2024.08.10 劫火の螺旋
劫火の螺旋 劫火の螺旋 04 第4章 皇帝 19.疑惑 ミレアスが去り、パルシャが去ると執務室には二人の男が残された。 「どう思う? ナブラ」 宰相ゾルタの執務室、先程まで国王ラウルフィカにはめられたと、上級大将ミレアスが喚いていたところだった。その時は冷淡に相手を... 2024.08.10 劫火の螺旋
劫火の螺旋 劫火の螺旋 03 第3章 高潔なる者 13.蝋燭 薄暗く月明かりだけが差しこむ室内に悩ましげな声が響く。 「ああッ……!」 否、悩ましげと評するにはいささか苦痛がその声音には勝ち過ぎている。苦鳴の後にはこれ以上の無様を厭うかのように、きつく歯を食いしばる... 2024.08.10 劫火の螺旋
劫火の螺旋 劫火の螺旋 02 第2章 反撃の契機 7.主従 黄金と呼ばれる大陸の南部地域は幾つかの帝国領と砂漠地帯に存在する無数の小国から成り立っている。この地方を表だって支配するシャルカント帝国は現皇帝の祖父の代に近隣の国々を征服してその所領を広げた。 この世界ダ... 2024.08.10 劫火の螺旋
劫火の螺旋 劫火の螺旋 01 第1章 奪われた王国 1.裏切り 「お前たち、何をっ」 突如として寝室に押し入ってきた五人の男たちの姿に、先日この国の王となったばかりの少年は驚いて椅子から腰を浮かした。 「夜分遅くに申し訳ありませぬ。ラウルフィカ陛下。実は我らは」 「内... 2024.08.10 劫火の螺旋
劫火の螺旋 劫火の螺旋 登場人物紹介 「劫火の螺旋」 登場人物 ラウルフィカ ベラルーダの少年王。父王が亡くなり、若くして玉座に着くが野心の強い男たちによって権力を奪われ傀儡とされる。黒髪に青い瞳の美少年。いつか自分の力を取り戻すために虎視眈眈と復讐を目論む。第1章13歳、第2... 2024.08.10 劫火の螺旋
White World White World SS 「White World」外伝小話 魔術師の杖 ――魔術とは、自らの裡から外に向けて開く力だという。 この世に現象として火を起こし、水を沸き立て、風を渦巻き、地を揺らす業は、しかし自らの魂の内側から世界の真理と呼ばれるものに触れてそこか... 2024.08.10 White World
White World White World 02 第2章 満ちる闇、欠ける光―Wax and Wane― 8.満ちては欠ける ――それは答のない問いだ。 「辰砂、お前は、運命ってなんだと思う? お前にとっての“運命”って何?」 「僕は……」 否、答はある。誰にとっても、自分自身にとって... 2024.08.10 White World
White World White World 01 第1章 白の魔術師―White Wizard― 1.異相の魔術師 彼と出会ったのは、海辺の村の夜空の下だった。 運命というものがあるのならば、きっとそれ。 砂浜に倒れていた僕を、彼が助けた。 それが――全てのはじまり。 ◆◆◆◆◆... 2024.08.10 White World