朱き桜の散り逝く刻

朱き桜の散り逝く刻 朱き桜の散り逝く刻

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【FT/和風/退魔師/妖魔/恋愛/293枚/完結】
桜の樹の魔力と瘴気が結びついて生まれる魔物、桜魔。それら人類の敵に対抗する退魔師。
朱櫻国王都の退魔師・朱莉は桜魔を自らの下僕にできる「魅了者」として生きていた。
人と桜魔の世界の狭間に立つ朱莉は、ある日螺珠と言う名の少年姿の桜魔に出会う――。

prologue

邂逅――黄昏の出会い――

第1章 退魔師と桜魔

1.退魔師
2.桜魔
3.花筏

第2章 国王と亡霊

4.国王
5.亡霊
6.神刃
7.朱莉

第3章 朱き桜の散り逝く刻

8.暴走
9.魅了
10.散花

epilogue

流転――永い別れ――

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朱き桜の散り逝く刻

朱き桜の散り逝く刻 03

第3章 朱き桜の散り逝く刻 8.暴走  気持ちが酷く急く。朱莉は自らも両の足を動かして道を小走りに歩きながら、胸の内でいくつもの名前を呼んだ。 (上総、青葉、閏、千足、詠、七尾……) (私に、力を貸して。あの人たちを見つけて)  朱莉の願い...
朱き桜の散り逝く刻

朱き桜の散り逝く刻 02

第2章 国王と亡霊 4.国王  嶺家の広い庭に白刃の煌めきが舞う。蝶々は愛用の薙刀を手に、武術の稽古に励んでいた。  常人の目には視えぬが、退魔師や霊能者と呼ばれる人種ならば気付くであろう、彼女の肉体を取り巻く、霊力と呼ばれる力に。蝶々はた...
朱き桜の散り逝く刻

朱き桜の散り逝く刻 01

prologue 邂逅――黄昏の出会い――  彼は追われていた。  森の奥のあちこちから、異形のものの視線が追ってくる。追手の数は六まで数えたが、その先は何匹いるのかもはや彼にはわからない。  影の中を泳ぐ銀の魚、一つ目の小さな猿、二股の尾...