小説(全年齢)

Pinky Promise

Pinky Promise 118

第5章 パイ泥棒の言い分 20.揃わないピース 118  ――ある日のこと。研究室に教材を届けに行って、ダイナとたまたま二人きりになる機会のあったギネカは、思い切って彼女に尋ねてみた。 「あの……ダイナ先生」 「何? どうしたのマギラスさん...
Pinky Promise

Pinky Promise 117

第5章 パイ泥棒の言い分 20.揃わないピース 117 「それでフートお兄さんはいないんだ。ふーん」  ルルティスとムース、カナール、ローロ、ネスルたちと入れ替わりで戻ってきたアリスたちに、エラフィが事情を説明する。 「もう、一体なんだって...
Pinky Promise

Pinky Promise 116

第5章 パイ泥棒の言い分 20.揃わないピース 116 「……」  フートはぼーっとしていた。 「……ムース、あんたの幼馴染今日おかしくない?」 「……え? なんです?」 「うおお! 駄目だ! こっちもおかしい!」  エラフィは頭を抱える。...
Pinky Promise

Pinky Promise 115

第5章 パイ泥棒の言い分 20.揃わないピース 115  ――例の会合の後の話だ。  ギネカに関しては、このままヴァイスが車で自宅まで送っていくことになった。  本来の帰宅手段はネイヴのバイクだったのだが、深夜運転に付き合うならネイヴのバイ...
Pinky Promise

Pinky Promise 114

第5章 パイ泥棒の言い分 19.白の王の威厳 114  一通り組織の事情を説明し、更にゲルトナーの話は対教団への方針へと続く。 「この十年で睡蓮教団も力を蓄えたけれど、その分教団への敵対者も増えた」  ヴァイスが教団を壊滅寸前まで追い込んで...
Pinky Promise

Pinky Promise 113

第5章 パイ泥棒の言い分 19.白の王の威厳 113  翌日の放課後、色々なことを確認しに一同揃ってゲルトナーの研究室を訪問すると、彼は白の王ことマレク警部の話を聞くなり爆笑し始めた。 「そんなこと言ってたの? いやー、あの方も相変わらずだ...
Pinky Promise

Pinky Promise 112

第5章 パイ泥棒の言い分 19.白の王の威厳 112  月明かりに小瓶を透かす。  瓶の中に浮かんでいる球は黒と言うより銀に輝き、これが恐ろしい邪神の魂などと言われてもそうは見えないに違いない。  脳裏に何度も何度も、アリスの言葉を思い浮か...
Pinky Promise

Pinky Promise 111

第5章 パイ泥棒の言い分 19.白の王の威厳 111 「こういうことですよ」  ネイヴが指を弾くと、彼の手元に小さな花火のように色鮮やかな光が生まれた。 「わぁ! ……ってこれ、魔導じゃないのか?」 「違いますよ」  ネイヴがすいと光をアリ...
Pinky Promise

Pinky Promise 110

第5章 パイ泥棒の言い分 19.白の王の威厳 110  アリスと料理女をヴァイスとシャトンが車で拾い、警察や睡蓮教団に見つかる前に倉庫街を離れた。  アリスは渡された仮面を外し、料理女は顔に影を落とすよう目深に帽子を被る。  あえて長閑な住...
Pinky Promise

Pinky Promise 109

第5章 パイ泥棒の言い分 19.白の王の威厳 109  夜の街のあちらこちらで、いまだにサイレンが鳴り響いている。  普段であれば何事かと不安がる住民たちも、今宵は怪盗ジャックと怪人マッドハッターの犯行により半ばお祭り騒ぎと化していることを...