小説

Pinky Promise

Pinky Promise 146

第7章 黄金の午後に還る日まで25.赤の女王の夢 146「学校の方、しばらく休暇を頂いたんです」「へ?」 いつもの夕食の席、突然のダイナの言葉にアリス、ヴァイス、シャトンの三人は目を丸くした。「休暇って……授業を長く休むの?」 思いがけずた...
Pinky Promise

Pinky Promise 145

第7章 黄金の午後に還る日まで25.赤の女王の夢 145 無数の硝子玉の瞳が見つめてくる。数々の人形が並ぶ、ここは彼らの根拠地。「さすがの仕事ぶりだなぁ、赤騎士。俺たちを散々煩わせてくれたハンプティ・ダンプティを殺るとは」「まぁな」 グリフ...
Pinky Promise

Pinky Promise 144

第6章 真理の剣24.神の名の下に 144 アリスたちは三月兎と手を組むことになった。 眠り鼠ことムースを含めて、仲間が二人増えた。 そして彼、ザーイエッツは“フート=マルティウス”としてしばらくジグラード学院に通うらしい。「なんで……」「...
Pinky Promise

Pinky Promise 143

第6章 真理の剣24.神の名の下に 143 日常が戻ってくる――。「ようやく学校も再開、か。でも……」「うん……やっぱり寂しいね」 人数の減った教室。 高等部のどこにもいないヴェイツェ=アヴァール。 エラフィとレントは他の者たちを待つ間、二...
Pinky Promise

Pinky Promise 142

第6章 真理の剣24.神の名の下に 142『駄目だよ、お兄さん』「テラス君……?」 怪人マッドハッター……否、フート=マルティウスは仮面の下で目を瞠る。 自分は夢でも見ているのだろうか? これは本当に現実なのか?「どうして……? 君は……」...
Pinky Promise

Pinky Promise 141

第6章 真理の剣24.神の名の下に 141「ザーイエッツ……!」 この十年間、探し続けた人がいた。 駆け寄ってきたムースをザーイエッツは抱きしめる。 彼の姿は、十年前に見知っているそのままだった。この十年どこにいたのか、何をしていたのか、色...
Pinky Promise

Pinky Promise 140

第6章 真理の剣24.神の名の下に 140 ヴェルムは今回の事件の概要をまとめてイスプラクトル警部に報告したが、それが世間に報道されることはなかった。「すまん。ヴェルム君」「いいえ。予想はしていました。それに……これではっきりしました。警察...
Pinky Promise

Pinky Promise 139

第6章 真理の剣24.神の名の下に 139 それでも、世界は歩みを止めない。 時計の針は回り続ける。 叶わなかった約束を置き去りにして。 ◆◆◆◆◆「……あれで良かったのか?」 隠れ家に戻ったところで、白兎は赤騎士に尋ねた。「不満か? 私は...
Pinky Promise

Pinky Promise 138

第6章 真理の剣23.割れた卵 138 アリスはこの姿になってから様々な経験をした。 ギネカに接触感応能力を明かされた。更に彼女の相棒ネイヴが、怪盗ジャックとして活動していたことまで知らされた。 飄々と生きているように見えるエラフィが、実は...
Pinky Promise

Pinky Promise 137

第6章 真理の剣23.割れた卵 137 彼らは必死で帝都を駆ける。 間に合うと信じて。 例え、間に合わないと知っていても。 それでも全力で駆けただろうけれど。 ◆◆◆◆◆ フートは怪人マッドハッターの扮装を解く。 ヴェイツェは返り血に黒く濡...