小説(全年齢)

Pinky Promise

Pinky Promise 078

第4章 いつか蝶になる夢 13.公爵夫人の教訓 078 「コンビニで地図を買ってくる。私も帝都の全ての道を知っている訳でもないし、犯人の暗号を解くのにも必要だろう?」 「……そうだな、頼む。ついでに長期戦を見越して何か軽食も頼んだ」 「腹が...
Pinky Promise

Pinky Promise 077

第4章 いつか蝶になる夢 13.公爵夫人の教訓 077  帝都警察、別名警視庁捜査一課。終話ボタンを押して電話を切ったものの、シャフナー=イスプラクトル警部は何かがおかしいと感じていた。  今日のヴェルムの様子、何かが引っかかる。多忙な名探...
Pinky Promise

Pinky Promise 076

第4章 いつか蝶になる夢 13.公爵夫人の教訓 076 「そんなの逆恨みじゃん!」 「って言うか、正直それエラフィ関係ないよね……?」  ギネカから先程のヴェルムの態度とエラフィのことについて事情を聞いた友人一同は、一斉に犯人に向けて非難の...
Pinky Promise

Pinky Promise 075

第4章 いつか蝶になる夢 13.公爵夫人の教訓 075 「ヴェルム?」 「え? なんで?」  年齢的には高校生だが、この学院的には部外者。食堂の入り口に姿を現したのはヴェルム=エールーカだった。  背後にヴァイスもいて、何事か話している。こ...
Pinky Promise

Pinky Promise 074

第4章 いつか蝶になる夢 13.公爵夫人の教訓 074  ジグラード学院小等部。本日最後の授業は、担任に急用ができたため読書の時間へと変更された。  図書室に移動した生徒たちは、思い思いに選んだ本を広げている。 「シャトンは何を読んでるんだ...
Pinky Promise

Pinky Promise 073

第4章 いつか蝶になる夢 13.公爵夫人の教訓 073  高層ホテルの窓からは、帝都の象徴たるタワーが見えた。  エメラルドの名にちなみ、グリーンにライトアップされた塔を眺めることのできるこの部屋は、最近の彼らのお気に入りだ。 「それで、何...
Pinky Promise

Pinky Promise 072

第3章 歯車の狂うお茶会 12.終わらない六時 072  教室の話題は、朝から二つに分かれていた。 「この前のマッドハッターの盗み、また凄かったんだってねー!」  日曜を挟んだせいであれから何日も過ぎたように思えるが、実際には一昨日の出来事...
Pinky Promise

Pinky Promise 071

第3章 歯車の狂うお茶会 12.終わらない六時 071 「……アリスト?」 「そうだよ! 姉さん本当久しぶり!」  アリストは目の端に薄らと涙を浮かべ、姉へと抱きついた。姉弟はヴェルムそっちのけで話し合う。 「アリスト! 本物のアリストなの...
Pinky Promise

Pinky Promise 070

第3章 歯車の狂うお茶会 12.終わらない六時 070  ここしばらく忙しくてヴァイスの家にも行けなかったヴェルムは、ようやくできた暇をぬっていつものマンションへと向かっていた。  彼が最近呼ばれていたのは、とある連続殺人の捜査本部である。...
Pinky Promise

Pinky Promise 069

第3章 歯車の狂うお茶会 12.終わらない六時 069  ジグラード学院の研究室の一つ。  フュンフ=ゲルトナーの部屋に集まり、アリスたちは顔を突き合わせていた。 「ゲルトナー先生も関係者だったんですね……」  ギネカが複雑な顔をする。  ...