小説

Pinky Promise

Pinky Promise 090

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 090 今でこそ“帝都の切り札”と呼ばれる探偵ヴェルム=エールーカだが、彼にも半人前の時代はもちろんあった。 幾つもの事件を解決に導いてきたのは確かだが、捜査の途中で徒労に人を動かしてしまった回...
Pinky Promise

Pinky Promise 089

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 089“黄金の帽子の力で空飛ぶ猿に命ぜよ”「わぁ! なんか面白ーい!」「これ本当に鏡遺跡と同じ遺跡なのかよ!」「この遺跡そのものが、まるでさっきまでいた博物館みたいですね!」 昔の魔法使いの住処...
Pinky Promise

Pinky Promise 088

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 088 敵は睡蓮教団。暗号読解はまだ途中。「こんなところで邪魔をされるわけには行かないのに……!」 ギネカは唇を噛みしめ、フートは一行を庇うように前に出て男たちを睨み付けた。「フート、ギネカ」 ...
Pinky Promise

Pinky Promise 087

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 087 “壊れやすい国を越え、百獣の王とならん”「えーと、えーと、ライオンが百獣の王になる前に通ったのは」 カナールが必死で暗号の意味を考えようと、最初の疑問点を口にする。「せとものの国だね。目...
Pinky Promise

Pinky Promise 086

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 086「白兎……!」「やあ、アリス。どうやら襲撃は失敗したようだね」 仇敵どころかまるで旧友のように、白兎はいっそ親しげな様子でアリスに話しかけてきた。「いつの間に怪盗ジャックと手を組んだんだ?...
Pinky Promise

Pinky Promise 085

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 085 街がどこか騒がしい。 いや、騒がしいのは自分の胸だろうか。 何か嫌な予感がする。「どうかしたの、ダイナ? さっきからなんだかそわそわしているようじゃないか」「ええ、ちょっと……」 喫茶店...
Pinky Promise

Pinky Promise 084

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 084「その場所」で目を覚ましたエラフィは、一歩も動けないまま首だけを巡らせて周囲を確認した。「どう見ても爆弾よね、あれ」 帝都の景色を一望できるその場所で、しかしまず目立つのは、目の前に置か...
Pinky Promise

Pinky Promise 083

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 083 “青の国を出でて黄色いレンガの道を辿れ” 犯人追跡組の探偵たちは、青いリボンに書かれた暗号へと取り掛かる。「今回のポイントは“青の国”と“黄色いレンガの道”だな」 もう大分慣れてきた暗...
Pinky Promise

Pinky Promise 082

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 082 “東の魔女を倒し銀の靴を手に入れよ” タワーのサービスカウンターで受け取った封筒の中には白いカードが一枚。そこにはたった一言こう書かれていた。「……これだけ?」 最初の暗号を見た時と同...
Pinky Promise

Pinky Promise 081

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 081 こうなってみると、ヴァイスが適当に掴んできた帝都中心部のガイドマップはかなり役立ってくる。「帝国は広いし、この都も相当な規模だからな。中心部だけで一日二日では回りきれない程の観光場所が...