小説

Pinky Promise

Pinky Promise 096

第4章 いつか蝶になる夢16.さなぎの見る夢 096 ようやくの再会を果たしたシャトンとジェナーを二人きりにさせてやるために、アリスとヴェルムはホテルの屋上へと上がった。「今回は本当に迷惑をかけてすまない、アリス」「それはもう言うなって。あ...
Pinky Promise

Pinky Promise 095

第4章 いつか蝶になる夢16.さなぎの見る夢 095 疲労困憊で家に帰ると、早朝にも限らず灯りがついていた。「おかえりなさい、ヴェルム」 気配を消していたはずなのに、家の中で恐らく彼の帰りを待っていただろう女性はすぐに気づいて出迎える。「…...
Pinky Promise

Pinky Promise 094

第4章 いつか蝶になる夢16.さなぎの見る夢 094 腕を撃たれたダイナは、病院で治療を受け、念のため一晩泊まることになった。「ごめんなさい。俺のせいで」 しょげ返るアリスに彼女は言う。「いいのよ。アリス君はまだ子どもだもの」 慰めの言葉は...
Pinky Promise

Pinky Promise 093

第4章 いつか蝶になる夢16.さなぎの見る夢 093 どうしてここに彼女が? それを問う余裕は誰にもなかった。 アリスはかつて彼女を指し「何でもできる人」だと、そう言った。けれど。「……うちの生徒たちに」 一発目以外の弾丸を魔導の盾で凌ぐと...
Pinky Promise

Pinky Promise 092

第4章 いつか蝶になる夢16.さなぎの見る夢 092 “クワドリングの国にて『南の魔女』が待つ”「いたわ! エラフィよ!」 ギネカたち学院組は、ついに彼女の居場所を突き止めた。 真っ赤な鉄塔、エメラルドタワーに並んで帝都エメラルドのもう一つ...
Pinky Promise

Pinky Promise 091

第4章 いつか蝶になる夢16.さなぎの見る夢 091 “罌粟畑にて待つ” 昼間は綺麗な植物園も、夜は只管不気味でしかない。 帝都に仕掛けられた爆弾が爆発するまであと三十分と言うところで、ヴェルムたちは支度を終え、犯人が待つポピー植物園に辿り...
Pinky Promise

Pinky Promise 090

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 090 今でこそ“帝都の切り札”と呼ばれる探偵ヴェルム=エールーカだが、彼にも半人前の時代はもちろんあった。 幾つもの事件を解決に導いてきたのは確かだが、捜査の途中で徒労に人を動かしてしまった回...
Pinky Promise

Pinky Promise 089

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 089“黄金の帽子の力で空飛ぶ猿に命ぜよ”「わぁ! なんか面白ーい!」「これ本当に鏡遺跡と同じ遺跡なのかよ!」「この遺跡そのものが、まるでさっきまでいた博物館みたいですね!」 昔の魔法使いの住処...
Pinky Promise

Pinky Promise 088

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 088 敵は睡蓮教団。暗号読解はまだ途中。「こんなところで邪魔をされるわけには行かないのに……!」 ギネカは唇を噛みしめ、フートは一行を庇うように前に出て男たちを睨み付けた。「フート、ギネカ」 ...
Pinky Promise

Pinky Promise 087

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 087 “壊れやすい国を越え、百獣の王とならん”「えーと、えーと、ライオンが百獣の王になる前に通ったのは」 カナールが必死で暗号の意味を考えようと、最初の疑問点を口にする。「せとものの国だね。目...