小説(全年齢)

Pinky Promise

Pinky Promise 070

第3章 歯車の狂うお茶会 12.終わらない六時 070  ここしばらく忙しくてヴァイスの家にも行けなかったヴェルムは、ようやくできた暇をぬっていつものマンションへと向かっていた。  彼が最近呼ばれていたのは、とある連続殺人の捜査本部である。...
Pinky Promise

Pinky Promise 069

第3章 歯車の狂うお茶会 12.終わらない六時 069  ジグラード学院の研究室の一つ。  フュンフ=ゲルトナーの部屋に集まり、アリスたちは顔を突き合わせていた。 「ゲルトナー先生も関係者だったんですね……」  ギネカが複雑な顔をする。  ...
Pinky Promise

Pinky Promise 068

第3章 歯車の狂うお茶会 12.終わらない六時 068  翌日のニュースは、一部の人間たちを激震させた。 「アリス! シャトン!」  普段より三十分も早い時間に、ヴァイスが二人を叩き起こす。昨日は夜遅かったし、今日は日曜。早起きする必要もな...
Pinky Promise

Pinky Promise 067

第3章 歯車の狂うお茶会 12.終わらない六時 067 「なぁ、シャトン、借りってなんだ?」 「ああ、それは……」  シャトンが最後にマッドハッターに言っていたことが気になり、アリスはヴァイスのマンションに戻ってから詳しく尋ねた。  そこで...
Pinky Promise

Pinky Promise 066

第3章 歯車の狂うお茶会 11.三月兎の足跡 066 「畜生~、惜しかったなぁ」 「彼ら自身はともかく、ティードルディーとティードルダムの師匠は確か教団の重鎮の一人だわ。捕まえれば中核に近づけそうだったけれど」 「逃がしたもんは仕方ない……...
Pinky Promise

Pinky Promise 065

第3章 歯車の狂うお茶会 11.三月兎の足跡 065  こいつこんな強かったっけかなぁ? と、マッドハッターは内心で首を傾げながらティードルディーと戦闘していた。  内心でどう思おうと、顔には出さない。そもそも仮面をつけていて彼の表情はわか...
Pinky Promise

Pinky Promise 064

第3章 歯車の狂うお茶会 11.三月兎の足跡 064 「ちっ……」  どうやらアリスの方にも回り込んでいた敵がいたらしいことは、マッドハッターも確認した。  だが、向こうは魔導士が一人。こちらは十人以上の敵を相手にせねばならない以上気が抜け...
Pinky Promise

Pinky Promise 063

第3章 歯車の狂うお茶会 11.三月兎の足跡 063  マッドハッターは仮面の下で眉間にしわを寄せる。  まずい。まさか今日に限って、ばっちり睡蓮教団と鉢合わせるなど――。  教団の情報が欲しい自分としては、この接触は待ち焦がれていたものだ...
Pinky Promise

Pinky Promise 062

第3章 歯車の狂うお茶会 11.三月兎の足跡 062  星々の見守る中で、小さな影と怪人の影が対峙する。 「……坊や、こんな時間に子どもが一人で出歩いていてはいけませんよ」 「こんな時間に窃盗なんて悪さをしている人に言われたくないなぁ」  ...
Pinky Promise

Pinky Promise 061

第3章 歯車の狂うお茶会 11.三月兎の足跡 061  美術館鑑賞の折にふと、二人きりになった時のことだ。  小さなテラスが、アリスに不意に問いかけてきた。 「アリス、何を考えているの?」 「え、いや、別に何も」  嘘だ。アリスはこの時、今...