小説

Pinky Promise

Pinky Promise 086

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 086「白兎……!」「やあ、アリス。どうやら襲撃は失敗したようだね」 仇敵どころかまるで旧友のように、白兎はいっそ親しげな様子でアリスに話しかけてきた。「いつの間に怪盗ジャックと手を組んだんだ?...
Pinky Promise

Pinky Promise 085

第4章 いつか蝶になる夢15.イモムシの決断 085 街がどこか騒がしい。 いや、騒がしいのは自分の胸だろうか。 何か嫌な予感がする。「どうかしたの、ダイナ? さっきからなんだかそわそわしているようじゃないか」「ええ、ちょっと……」 喫茶店...
Pinky Promise

Pinky Promise 084

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 084「その場所」で目を覚ましたエラフィは、一歩も動けないまま首だけを巡らせて周囲を確認した。「どう見ても爆弾よね、あれ」 帝都の景色を一望できるその場所で、しかしまず目立つのは、目の前に置か...
Pinky Promise

Pinky Promise 083

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 083 “青の国を出でて黄色いレンガの道を辿れ” 犯人追跡組の探偵たちは、青いリボンに書かれた暗号へと取り掛かる。「今回のポイントは“青の国”と“黄色いレンガの道”だな」 もう大分慣れてきた暗...
Pinky Promise

Pinky Promise 082

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 082 “東の魔女を倒し銀の靴を手に入れよ” タワーのサービスカウンターで受け取った封筒の中には白いカードが一枚。そこにはたった一言こう書かれていた。「……これだけ?」 最初の暗号を見た時と同...
Pinky Promise

Pinky Promise 081

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 081 こうなってみると、ヴァイスが適当に掴んできた帝都中心部のガイドマップはかなり役立ってくる。「帝国は広いし、この都も相当な規模だからな。中心部だけで一日二日では回りきれない程の観光場所が...
Pinky Promise

Pinky Promise 080

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 080「 親愛なる地獄の探偵よ 私は帝都のある場所に巨大な爆弾を仕掛けた 爆弾を解除し、帝都の多くの民を救いたければ、この文章から始まる旅をして我がもとへ辿り着け“竜巻は大王の都の最も高い場所...
Pinky Promise

Pinky Promise 079

第4章 いつか蝶になる夢14.小鹿の忘れた名前 079「 親愛なる地獄の探偵よ 君の大切な人は預かった 彼女を救いたければ、この文章から始まる旅をするがいい そしてあの人を喪った我が痛みを思い知れ“ペテン師より脳と心臓と勇気を手に入れる旅路...
Pinky Promise

Pinky Promise 078

第4章 いつか蝶になる夢13.公爵夫人の教訓 078「コンビニで地図を買ってくる。私も帝都の全ての道を知っている訳でもないし、犯人の暗号を解くのにも必要だろう?」「……そうだな、頼む。ついでに長期戦を見越して何か軽食も頼んだ」「腹が減っては...
Pinky Promise

Pinky Promise 077

第4章 いつか蝶になる夢13.公爵夫人の教訓 077 帝都警察、別名警視庁捜査一課。終話ボタンを押して電話を切ったものの、シャフナー=イスプラクトル警部は何かがおかしいと感じていた。 今日のヴェルムの様子、何かが引っかかる。多忙な名探偵が依...