小説(全年齢)

Pinky Promise

Pinky Promise 050

第3章 歯車の狂うお茶会 9.帽子屋の仮面 050  ヴァイス=ルイツァーリ宅。白兎との因縁から現在世話になっている講師の家で、アリスはドキドキとギネカの訪問を待っていた。 「視てきたわよ」 「!」  訪れた友人は開口一番そう告げる。 「ダ...
Pinky Promise

Pinky Promise 049

第3章 歯車の狂うお茶会 9.帽子屋の仮面 049  夜の闇は彼を映し出す舞台に過ぎない。人々はそっくり返りそうな程に首を上げて、ビルの屋上を凝視した。  ざわざわとした曖昧な喧噪が、一つの声によって爆発的な歓声へと変わる。 「いたぞ! “...
Pinky Promise

Pinky Promise 048

第2章 歪む鏡の向こう側 8.鏡の向こう側 048 「へぇ。超能力についてバラしたんだ」 「ええ。これからは向こうにちょこちょこ手を貸すことになるわね」 「えー、俺を見捨てんの?」 「あんたは一人で充分でしょ。私の用事を邪魔しないでちょうだ...
Pinky Promise

Pinky Promise 047

第2章 歪む鏡の向こう側 8.鏡の向こう側 047 「そう、そんなことがあったの」  アリスはギネカに、改めて四月一日からこれまでに彼の身に起こった出来事を話した。ギネカの方は接触感応能力で簡単に情報を得たとはいえ、やはり当事者から情報の取...
Pinky Promise

Pinky Promise 046

第2章 歪む鏡の向こう側 8.鏡の向こう側 046  なんとか警察の相手を無難に終えたサマクは、エイスたちのもとへと戻る。  一歳や三歳の年齢差など「この歳」になってくると比べるのもおかしいくらいだが、なまじ外見は他二人が幼いだけにどうして...
Pinky Promise

Pinky Promise 045

第2章 歪む鏡の向こう側 8.鏡の向こう側 045 「さて、帰るか」  警察を引き連れてきたヴァイスに促され、彼らは遺跡から出ることにした。一緒に降りて来なかったヴェルムについて尋ねると、事件の事後処理の件で警察と話中だと言う。  彼らも後...
Pinky Promise

Pinky Promise 044

第2章 歪む鏡の向こう側 8.鏡の向こう側 044  宝物庫の扉が開く。  部屋の四方に青い睡蓮の絵が描かれた部屋。正面最奥には祭壇らしきものがあるが、上には何も乗っていない。積もっているのは埃くらいのものだ。  そして部屋のあちこちに、「...
Pinky Promise

Pinky Promise 043

第2章 歪む鏡の向こう側 8.鏡の向こう側 043  昏倒させた強盗を引き渡し、警察への対応をヴェルムたちに任せ、アリスたちは再び遺跡の探索を始めた。  本来なら彼らも警察の事情聴取に付き合わねばならないのだろうが、どうしてもその前にこの遺...
Pinky Promise

Pinky Promise 042

第2章 歪む鏡の向こう側 7.白騎士の発明 042  ヴァイスに頼まれて子どもたちを車で迎えに来たダイナは、ハンドルを握りながら首を傾げた。今日はやけにパトカーのサイレンが多い。遺跡の駐車場に車を停めながら考える。  この場所から博物館と遺...
Pinky Promise

Pinky Promise 041

第2章 歪む鏡の向こう側 7.白騎士の発明 041  男が無線に向かって呼びかける。返らない応えに、次第に声は焦りを帯びていく。  強盗たちは銀行を襲った際にも使った無線により、博物館と遺跡の入り口で連絡を取り合っていた。  博物館前にいる...