小説

Pinky Promise

Pinky Promise 076

第4章 いつか蝶になる夢13.公爵夫人の教訓 076「そんなの逆恨みじゃん!」「って言うか、正直それエラフィ関係ないよね……?」 ギネカから先程のヴェルムの態度とエラフィのことについて事情を聞いた友人一同は、一斉に犯人に向けて非難の声を上げ...
Pinky Promise

Pinky Promise 075

第4章 いつか蝶になる夢13.公爵夫人の教訓 075「ヴェルム?」「え? なんで?」 年齢的には高校生だが、この学院的には部外者。食堂の入り口に姿を現したのはヴェルム=エールーカだった。 背後にヴァイスもいて、何事か話している。ここからでも...
Pinky Promise

Pinky Promise 074

第4章 いつか蝶になる夢13.公爵夫人の教訓 074 ジグラード学院小等部。本日最後の授業は、担任に急用ができたため読書の時間へと変更された。 図書室に移動した生徒たちは、思い思いに選んだ本を広げている。「シャトンは何を読んでるんだ?」「帝...
Pinky Promise

Pinky Promise 073

第4章 いつか蝶になる夢13.公爵夫人の教訓 073 高層ホテルの窓からは、帝都の象徴たるタワーが見えた。 エメラルドの名にちなみ、グリーンにライトアップされた塔を眺めることのできるこの部屋は、最近の彼らのお気に入りだ。「それで、何か芳しい...
Pinky Promise

Pinky Promise 072

第3章 歯車の狂うお茶会12.終わらない六時 072 教室の話題は、朝から二つに分かれていた。「この前のマッドハッターの盗み、また凄かったんだってねー!」 日曜を挟んだせいであれから何日も過ぎたように思えるが、実際には一昨日の出来事なのだ。...
Pinky Promise

Pinky Promise 071

第3章 歯車の狂うお茶会12.終わらない六時 071「……アリスト?」「そうだよ! 姉さん本当久しぶり!」 アリストは目の端に薄らと涙を浮かべ、姉へと抱きついた。姉弟はヴェルムそっちのけで話し合う。「アリスト! 本物のアリストなのね?!」「...
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Pinky Promise 070

第3章 歯車の狂うお茶会12.終わらない六時 070 ここしばらく忙しくてヴァイスの家にも行けなかったヴェルムは、ようやくできた暇をぬっていつものマンションへと向かっていた。 彼が最近呼ばれていたのは、とある連続殺人の捜査本部である。 ――...
Pinky Promise

Pinky Promise 069

第3章 歯車の狂うお茶会12.終わらない六時 069 ジグラード学院の研究室の一つ。 フュンフ=ゲルトナーの部屋に集まり、アリスたちは顔を突き合わせていた。「ゲルトナー先生も関係者だったんですね……」 ギネカが複雑な顔をする。 彼女が知らな...
Pinky Promise

Pinky Promise 068

第3章 歯車の狂うお茶会12.終わらない六時 068 翌日のニュースは、一部の人間たちを激震させた。「アリス! シャトン!」 普段より三十分も早い時間に、ヴァイスが二人を叩き起こす。昨日は夜遅かったし、今日は日曜。早起きする必要もなければ睡...
Pinky Promise

Pinky Promise 067

第3章 歯車の狂うお茶会12.終わらない六時 067「なぁ、シャトン、借りってなんだ?」「ああ、それは……」 シャトンが最後にマッドハッターに言っていたことが気になり、アリスはヴァイスのマンションに戻ってから詳しく尋ねた。 そこで判明したの...