小説(全年齢)

Pinky Promise

Pinky Promise 038

第2章 歪む鏡の向こう側 7.白騎士の発明 038  階段を降りて遺跡の地下に入った強盗たちは、逃げ出した子どもたちを探す。 「ちっ! いねぇな……」  一週間前から潜んでいたとはいえ、彼らが使っていたのは主に緑地や博物館の施設だ。この遺跡...
Pinky Promise

Pinky Promise 037

第2章 歪む鏡の向こう側 7.白騎士の発明 037 「やべーやべー、やっと終わったわ」  来週から帝都で始まる美術展。そこで行う『仕事』の下見を終えて、ネイヴ=ヴァリエートはようやく一息つく。  この美術展は元々予定されていたものだが、今週...
Pinky Promise

Pinky Promise 036

第2章 歪む鏡の向こう側 6.アリスの冒険 036  無事に仕掛けを作動させ、隠し通路を通ってきたアリスは、ひとまずカナールとネスルと合流した。 「おい、お前ら危ないぞ! こんな階段の近くにいたんじゃすぐに奴らに見つかっちまう!」 「アリス...
Pinky Promise

Pinky Promise 035

第2章 歪む鏡の向こう側 6.アリスの冒険 035 「大人しくしてろ! 刃向かう奴は撃ち殺すぞ!」 「きゃああああ!」  拳銃を持った迷彩服の男たちが、彼らに銃を向ける。 「まさか、ニュースの――」  ギネカの低く抑えた囁きに、アリスもハッ...
Pinky Promise

Pinky Promise 034

第2章 歪む鏡の向こう側 6.アリスの冒険 034  アリスたちが階段を昇りきると、ちょうどやってきた高等部生組と合流した。小等部組が地下一階を調べ終えたように、高等部組は一階フロアの探索も終わり下に降りるつもりだったらしい。 「あ!」 「...
Pinky Promise

Pinky Promise 033

第2章 歪む鏡の向こう側 6.アリスの冒険 033  ヴェルムとヴァイスは、公園の敷地内に併設されている遺跡の管理事務所を訪れた。  観光地であり重要文化財の一つでもある遺跡なので、当然管理人が常に置かれている。博物館の隣にひっそりと建って...
Pinky Promise

Pinky Promise 032

第2章 歪む鏡の向こう側 6.アリスの冒険 032 「おい! みんな大丈夫か?!」  一階通路の途中にぽっかりと口を開けた落とし穴。アリスは咄嗟にすぐ隣にいたカナールを抱き寄せて着地した。  シャトンはさすがに危なげなく着地し、テラスもフォ...
Pinky Promise

Pinky Promise 031

第2章 歪む鏡の向こう側 6.アリスの冒険 031  幽霊退治の選択が消えた以上、彼らの目的は一つに絞られる。 「お宝探し!」 「きんぎんざいほう見つけるぞ!」  子どもたちはリュックサックを背負い直すと、気合十分に歩き出す。彼らの心はすで...
Pinky Promise

Pinky Promise 030

第2章 歪む鏡の向こう側 5.ダイナの翻弄 030  ミラーズ遺跡。通称鏡遺跡と地元住民に呼ばれるその遺跡は、エメラルドが帝都と定められた頃より開かれた観光スポットの一つである。  ディアマンディ帝国の首都エメラルドは、その面積に中程度の国...
Pinky Promise

Pinky Promise 029

第2章 歪む鏡の向こう側 5.ダイナの翻弄 029  週末の土曜。休日の朝っぱらから、机の上に並べられた細かな部品や工具。ヴァイスは精密ドライバーを握って、小さな部品の螺子を締めている。 「ヴァイス、何作ってんだ?」 「ん? これか。これは...