小説

Pinky Promise

Pinky Promise 026

第2章 歪む鏡の向こう側5.ダイナの翻弄 026 目の前には女性がいる。つい最近も見たような顔だ。「ダイナ=レーヌと申します。帝都一の名探偵と名高いエールーカ探偵にお会いできて光栄です」「いえ、そんな……」 今日も今日とて探偵として依頼を受...
Pinky Promise

Pinky Promise 025

第2章 歪む鏡の向こう側5.ダイナの翻弄 025 雨の檻が血臭を閉じ込めている。 絶え間なく降り注ぐ雫に打たれて、鬱蒼と茂る草をかき分けるむさ苦しい男たちのコートも暗い色に沈んでいた。「また、“奴”か」「ええ」 男たち――現場を捜索する刑事...
Pinky Promise

Pinky Promise 024

第1章 月夜の時盗人4.指切り―Pinky Promise― 024「何やってんのよ! ヴェルム!」「な、なんのことだよセルフ、俺は――」「幼馴染の目を誤魔化せると思ってんの?! どうしてヴェルムがアリストに変装なんかしてるわけ?!」 “ア...
Pinky Promise

Pinky Promise 023

第1章 月夜の時盗人4.指切り―Pinky Promise― 023 ゲルトナーの研究室を辞し、三人で廊下を歩いているとダイナの姿を見かけた。「ダイナ」「ああ、ルイツァーリ先生。アリス君にシャトンちゃんも」 ヴァイスの呼びかけで彼らに気づい...
Pinky Promise

Pinky Promise 022

第1章 月夜の時盗人4.指切り―Pinky Promise― 022「それで、やっぱり君が“アリス”になることにしたんだね」「ああ……じゃなくて、“うん、そうだよ!“」「ははは。ここでまでそんな気合い入れた子どもぶりっこしなくてもいいよー」...
Pinky Promise

Pinky Promise 021

第1章 月夜の時盗人4.指切り―Pinky Promise― 021 新学期が始まった。 小等部や高等部に入学する生徒にとっては四月は人生の契機ともなるべき時だが、進級するだけの二年生、三年生ともなるとその熱も薄れる。 ジグラード学院高等部...
Pinky Promise

Pinky Promise 020

第1章 月夜の時盗人4.指切り―Pinky Promise― 020 四月五日。帝都エメラルド。 多くの学校がこの日、入学式を行う。 帝都一の規模を誇るジグラード学院も例外ではない。「それでは、皆さん一人ずつ自己紹介をしましょう」「「「はー...
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Pinky Promise 019

第1章 月夜の時盗人4.指切り―Pinky Promise― 019 ただでさえ体力のない子どもの体は赤騎士との戦闘の後で泥のように重い。 だが、ヴァイスの自宅まで戻らないわけには行かなかった。こうして命がある以上、まだ睡蓮教団の存在を明る...
Pinky Promise

Pinky Promise 018

第1章 月夜の時盗人3.赤騎士との決戦 018 閃光が収まり、夜の闇が次第に戻ってくる。 ぷすぷすと煙を上げ続ける地面の上で、アリストたち三人はその場に呆然と佇んでいた。 人の気配はすでに遠く、白兎と赤騎士はやはり姿を消してしまったらしい。...
Pinky Promise

Pinky Promise 017

第1章 月夜の時盗人3.赤騎士との決戦 017「白兎……!」 自分をこの姿にした張本人の憎い姿を前に、アリストは唇を噛みしめる。「やぁ。迷子のアリスちゃん。話には聞いていたけど、まさか本当にプチサイズに変身とは」「誰のせいだと思ってんだ!」...