桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 09 第3章 桜の花が散り逝く刻 9.悪い夢が燃え盛る刻 049 王都の廃墟に剣戟が響く。桜魔の襲撃を受けて一度放棄された地帯の一部は、退魔師たちの訓練場として活用されていた。 鵠、神刃、桃浪、蚕の四人は王都から遠い瓦礫の山の一つで戦闘訓練を... 2024.08.10 桜魔ヶ刻
桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 08 第2章 神の刃は黄昏に砥がれる 8.花は根に鳥は故巣に 043 結局桜魔王の屋敷に足を踏み入れることなく、その庭先とも言える森の中で戦闘は始まる。 鵠は桜魔王へと飛び掛かった。顔を合わせたことは何度かあるが、こうして実際に戦闘を行うのは... 2024.08.10 桜魔ヶ刻
桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 07 第2章 神の刃は黄昏に砥がれる 7.神の刃黄昏に砥がれる 037 傷だらけで帰ってきた載陽たちを朔は不思議そうに出迎えた。 彼が載陽から言い渡された桜魔王としての務め――その第一歩は、何故か「留守番」だった。別に積極的に載陽の命令を聞き... 2024.08.10 桜魔ヶ刻
桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 06 第2章 神の刃は黄昏に砥がれる 6.朱き桜赤き川に流れ 031 朔は日向でのんびりと昼寝を楽しんでいた。春の陽気が心地よい。 風が吹く度にひらひらと桜の白い花びらが散って、朔の上にも降りかかる。 一体誰が今の彼を見て、この大陸を恐怖と... 2024.08.10 桜魔ヶ刻
桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 05 第2章 神の刃は黄昏に砥がれる 5.朱に交われば赤くなる 025 山奥に倒壊音が響く。根元からへし折られた大木が周囲の木々や茂みを巻き込みながら倒れ、その下から二つの人影が飛び出してきた。 一つは白髪に藍色の瞳をした成人男性で、もう一つ... 2024.08.10 桜魔ヶ刻
桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 04 第1章 天を望む鳥は夜明けに飛び立つ 4.紅い花、白い虫 019 情報収集から戻った神刃を交えて、鵠たちは一室で額を突き合わせていた。 「……とりあえず、今は辻斬り事件の解決を目的として動こう。あいつらを追うぞ」 考えても答の出ない蚕の... 2024.08.10 桜魔ヶ刻
桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 03 第1章 天を望む鳥は夜明けに飛び立つ 3.紅い夜、白い月 013 「むぅ……」 深い山の中で、少年は眉間に皺を寄せて考えた。 周囲には桜が散っている。 襲い掛かってきた桜魔たちの死体が変じた花弁と言う名の遺骸だ。 「これはなんというか... 2024.08.10 桜魔ヶ刻
桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 02 第1章 天を望む鳥は夜明けに飛び立つ 2.天を望み夜明けに発て 007 かつて、“戦場の死神”と呼ばれた少年がいた。 朱櫻国王の暴虐を発端に、大陸中が戦火に燃えていた時代だ。 少年の名は火陵。身寄りのない彼は、自らを拾ってくれた主君を... 2024.08.10 桜魔ヶ刻
桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 01 第1章 天を望む鳥は夜明けに飛び立つ 1.花発いて風雨多し 001 夕暮れの時間を、黄昏という。 すれ違う相手の顔もわからぬ「誰そ彼」が変化したもので、これに対し明け方は「彼は誰」時と呼ぶ。その一方、夕暮れはこうも呼ばれることがある。 ... 2024.08.10 桜魔ヶ刻
桜魔ヶ刻 桜魔ヶ刻 登場人物紹介 桜魔ヶ刻 登場人物 天望 鵠 (あもう くぐい) 白銀髪に紫がかった藍の瞳。25歳。 花栄国の退魔師。ただし正規に協会に登録していない。一時期名を上げ、かつて最強の退魔師と呼ばれていた。両親は名家の出身だが同時に駆け落ち者であり、戸籍を誤魔... 2024.08.10 桜魔ヶ刻