小説

Pinky Promise

Pinky Promise 165

第7章 黄金の午後に還る日まで28.物語の終わりに 165 ――そして姉弟は再会する。「あの……姉さん」「アリスト」 レジーナたち睡蓮教団が消え、構成員のほとんども白の王国の手勢が拘束し終えている。 戦いは終息に近づいていた。 そのような状...
Pinky Promise

Pinky Promise 164

第7章 黄金の午後に還る日まで28.物語の終わりに 164 ハートの女王は言った。「誰だって、結局自分が生き易いように世界を作り変えるしかないのさ」 その世界が身近な周囲の環境か、自分自身か、本当に世界そのものかは人によって異なる。 だが誰...
Pinky Promise

Pinky Promise 163

第7章 黄金の午後に還る日まで28.物語の終わりに 163 衝撃を受けた体が倒れ、その頭の辺りから血だまりが広がっていく。「今まで御苦労、女王陛下」「な……」「レジーナ!?」 グリフォンが、ハートの女王を撃ったのだ。「何故……!」 ヴァイス...
Pinky Promise

Pinky Promise 162

第7章 黄金の午後に還る日まで27.ハートの女王の命令 162 地下シェルターに大量の水が入り込む。 時の水時計を水圧で一気に全て割る作戦だ。「どこから……?!」 白兎が大量の水に驚いて目を瞠る。 彼はアリスたちのように魔導防壁を張る様子も...
Pinky Promise

Pinky Promise 161

第7章 黄金の午後に還る日まで27.ハートの女王の命令 161 襲撃者たちが、次々に車から降りてくる。 彼らは遠くからそれを見張っていた。 口元に魔導の通信機を当てて話し合う。「あー、こちら“小鹿”。そろそろよ。みんな、準備はいい?」「“ア...
Pinky Promise

Pinky Promise 160

第7章 黄金の午後に還る日まで27.ハートの女王の命令 160 艶やかな銀糸の髪に真っ赤な瞳。 黒いベストを身に着けた、物語の中の印象そのままの白兎。 否、物語中の老いた兎になぞらえるには、彼はあまりに美しすぎる。 コードネーム“白兎”、ア...
Pinky Promise

Pinky Promise 159

第7章 黄金の午後に還る日まで27.ハートの女王の命令 159 ジグラード学院には教員や生徒の寮があるため、夜間でも人は残っている。 世界の中心と呼ばれる巨大な学院に通うために親元を離れて寮に入る生徒もいれば、教員もいる。 だが、もちろん深...
Pinky Promise

Pinky Promise 158

第7章 黄金の午後に還る日まで27.ハートの女王の命令 158「さぁ……おいでよ、夢の中の子どもたち」 戦いが始まる――。 睡蓮教団の本拠地は、郊外の人里離れた巨大な工場だった。 表向きは玩具を作っているというその工場に、彼らは乗り込む。 ...
Pinky Promise

Pinky Promise 157

第7章 黄金の午後に還る日まで27.ハートの女王の命令 157 ――出発数時間前。 各自パートナーと打ち合わせし、作戦決行前の最後の確認に入る。「こんなことになっちゃったけど、よろしくねヴェルム」「正直言って、俺はもう色々なことについて行く...
Pinky Promise

Pinky Promise 156

第7章 黄金の午後に還る日まで26.歩兵は白の女王へ 156 ――最後の一日が始まる。 明日、教団との戦いに赴く面々は、この姿での学生生活最後の一日を表面上は何事もなく送っていた。 とは言っても、ギネカやムースは戦いが終われば元々の居場所に...