Pinky Promise

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Pinky Promise 061

第3章 歯車の狂うお茶会 11.三月兎の足跡 061  美術館鑑賞の折にふと、二人きりになった時のことだ。  小さなテラスが、アリスに不意に問いかけてきた。 「アリス、何を考えているの?」 「え、いや、別に何も」  嘘だ。アリスはこの時、今...
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Pinky Promise 060

第3章 歯車の狂うお茶会 10.眠り鼠の沈黙 060  弁当を食べて一休みし、彼らは帰ることになった。 「父さん」  そこでテラスと数人が、マッドハッター対策で立ち働くモンストルム警部に挨拶に行くことになった。 「テラスか、どうした?」 「...
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Pinky Promise 059

第3章 歯車の狂うお茶会 10.眠り鼠の沈黙 059  子どもたちがツィノーバーロートの話をしているのを聞いて、フートは束の間、兄のことに関し思いを馳せる。隣にいるムースも似たような面持ちだ。  何故彼はエリスロの絵ばかり集めていたのだろう...
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Pinky Promise 058

第3章 歯車の狂うお茶会 10.眠り鼠の沈黙 058  今回彼らが向かったのは、ポピー美術館である。  世界の中心に位置する藍の大陸、通称中央大陸。その更に中心部に存在するディアマンディ帝国の首都エメラルド。そこには世界の総てが揃っている。...
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Pinky Promise 057

第3章 歯車の狂うお茶会 10.眠り鼠の沈黙 057  翌日の食堂で、ムースは至って真面目に口を開いた。 「……と言う訳で、あのバカをなんとかしたいと思うんです」 「頼む、ムース。俺たちを巻き込まないでくれ」  ムースはフートのテラスへの感...
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Pinky Promise 056

第3章 歯車の狂うお茶会 10.眠り鼠の沈黙 056  ――彼は、彼女の憧れだった。 『ザーイ、ザーイ……ねぇ、どこに行くの?』 『ムース、ついてきちゃったのか』  同い年の幼馴染の、十歳年上のお兄さん。ザーイエッツ=マルティウスは、ムース...
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Pinky Promise 055

第3章 歯車の狂うお茶会 10.眠り鼠の沈黙 055 「――あれは、恐ろしい男だ」  五十を過ぎてなお若々しい男が、その見た目に似合わぬ嗄れ声で言った。 「当時わずか十代の少年が、この儂の作り上げた組織を壊滅寸前まで追い込んだのだからな……...
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Pinky Promise 054

第3章 歯車の狂うお茶会 9.帽子屋の仮面 054  建物の影を使い密やかに闇に紛れる。パトカーのサイレンは明後日な方向に消え、彼は花で飾られたシルクハットのつばを指で支えながらほっと息をついた。  黄金の炎の中に消えるトリックは上手く行っ...
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Pinky Promise 053

第3章 歯車の狂うお茶会 9.帽子屋の仮面 053 「まぁ、ダメでもともと、本人に接触して聞いてみればいいんじゃない?」 「聞いてみればって……相手怪盗なんですけど」  怪人マッドハッター。その存在は、アリスたちが追う犯罪組織「睡蓮教団」に...
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Pinky Promise 052

第3章 歯車の狂うお茶会 9.帽子屋の仮面 052 「フートがテラスにぃ?! え、あいつ、いつから青少年保護育成条例違反してんの? 通報していい?」  フートはアリストにとって大事な友人だが、それはアリスにとってのテラスも同じである。最悪の...