Pinky Promise

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Pinky Promise 111

第5章 パイ泥棒の言い分 19.白の王の威厳 111 「こういうことですよ」  ネイヴが指を弾くと、彼の手元に小さな花火のように色鮮やかな光が生まれた。 「わぁ! ……ってこれ、魔導じゃないのか?」 「違いますよ」  ネイヴがすいと光をアリ...
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Pinky Promise 110

第5章 パイ泥棒の言い分 19.白の王の威厳 110  アリスと料理女をヴァイスとシャトンが車で拾い、警察や睡蓮教団に見つかる前に倉庫街を離れた。  アリスは渡された仮面を外し、料理女は顔に影を落とすよう目深に帽子を被る。  あえて長閑な住...
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Pinky Promise 109

第5章 パイ泥棒の言い分 19.白の王の威厳 109  夜の街のあちらこちらで、いまだにサイレンが鳴り響いている。  普段であれば何事かと不安がる住民たちも、今宵は怪盗ジャックと怪人マッドハッターの犯行により半ばお祭り騒ぎと化していることを...
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Pinky Promise 108

第5章 パイ泥棒の言い分 18.料理女の選択 108  パトカーのサイレンが夜の淡い喧噪に鳴り響く。しかし今日は誰もがそれに関し頓着しない。  この近くの帝国立博物館で、怪盗ジャックと怪人マッドハッターの盗みがあったことが広く知られているか...
Pinky Promise

Pinky Promise 107

第5章 パイ泥棒の言い分 18.料理女の選択 107  咄嗟に元の姿に戻って倉庫を飛び出したはいいものの、この後が続かない。  まだ距離はあるものの、背後から追手の気配がアリストに迫ってくる。 どこまでも似たような景色が続く夜の倉庫街。手近...
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Pinky Promise 106

第5章 パイ泥棒の言い分 18.料理女の選択 106  暗い倉庫の中。黒服を率いる先頭の男は、一人だけ格好が違った。この男がこの集団のボスなのだろう。  年齢は三十手前と言ったところで、薄い紫の髪に紅い瞳の一見優男。しかし彼の瞳は、穏やかな...
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Pinky Promise 105

第5章 パイ泥棒の言い分 18.料理女の選択 105  高い位置にある小さな窓から頼りない月の光だけが差し込む薄暗い倉庫の中。  見知った顔の突然の登場にマッドハッターが驚いている間に、怪盗ジャックがアリスと会話を始めていた。 「おや、いら...
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Pinky Promise 104

第5章 パイ泥棒の言い分 18.料理女の選択 104  帝国立博物館の宝石展示室。マッドハッターとジャックの獲物である『女神に捧ぐ首飾り』だけが今は堂々とその中央の特別ケースに展示されている。  どちらの怪盗も下見は昨日のうちに済ませている...
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Pinky Promise 103

第5章 パイ泥棒の言い分 18.料理女の選択 103  日曜の夜、ニュースではハンプティ・ダンプティによる新たな殺人事件の報道がされている。  しかし本日の多くの帝都民の興味は殺人犯よりも、怪盗二人の競演にあった。  民衆は熱狂する。  そ...
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Pinky Promise 102

第5章 パイ泥棒の言い分 17.ジャックの予告状 102 「それで、どうだったんですか? ツィノーバーロートの宝石展」  日曜は学院の課題があるということで、高等部生たちは午前中だけ図書館に集まっていた。  昨日集まったメンバーの中ではヴェ...