第3章 恋と復讐と王子様
068.青髭の憂鬱
鉱山街の人々の治療は順調に進んでいる。
あの後、元国王フェングは己の負けを認め、彼の知る事情と知識の全てを明らかにした。
もともと、彼ら自身の国民であるファリア鉱山街の人々を苦しめるのはフェングやアムレートの本意ではない。
己の目的のために真実を隠し、すぐに解決策を取らなかった彼らを善人と言うのは難しいが、少なくとも二人とも無意味に民の苦しみを長引かせることを望むような人間ではなかった。
叔父と甥による水面下の対立が表向きアムレートによるフェングの弾劾という形で収束した後、セルセラはまず当初の目的であるファリア鉱山街の人々の治療に専念することにした。
エルフィスを禁呪の毒から救うために作った解毒薬を少し改良することによって、毒を毒とも気づかず摂取させられていた鉱山街の人々の症状も治すことができるようになったのだ。
長い者は二年近く苦しめられていた症状が消え、鉱山街は徐々に活気を取り戻している。
同じくセルセラたちが解決を請け負った問題のうち、ペレカヌス島のディフ監獄の件に関しても、フェングの企みが明らかになった今、着実に冤罪を晴らす作業が進められている。
そしてディフ監獄の一件さえ解決するようなら、他国の権力争いになどいちいち口を挟む必要もない。
星狩人協会の上層部の一員として、セルセラの立場からすべきことは、ダールマーク王国に遺跡の管理を求めることだ。
セルセラは病の治療と並行して、ファリア鉱山とペレカヌス島、二つの遺跡の調査を進めていた。
「街の人たちはみな、だいぶ体調が良くなったようだよ。昼前にファラーシャと先日の子どもたちに会ったけれど、両親が回復して喜んでいた」
「そうか」
レイルの報告に、セルセラも連日の作業で疲れた頬に笑みを浮かべる。
アムレートが謀反を起こし、エルフィスが死にかけた日から数日後、作業用にアムレートから借り受けた一室で、セルセラとレイルは話していた。
「これもセルセラのおかげだ」
「僕は僕の仕事をしただけだ。解毒薬を作った功績はもちろん主張するけどな、それよりもこれまで大きな犠牲が出ないよう真摯に患者に向き合ってきた現地の医師や看護人を先に賞賛するべきだと思うぜ」
「そうか……そうだな。医者の先生たちや、病人の世話をしてくれた方々みんなに『ありがとう、お疲れ様』、だな」
セルセラの言葉に、レイルも薄く微笑んで頷く。
ファラーシャとタルテは、同じ建物の別室でアルライルを見舞っている。
ダールマークのクーデターを穏便に着地させ、遺跡の中のゼィズの遺体を回収し埋葬した後、もともとあまり身体が丈夫ではないというアルライルは精根尽き果して倒れてしまった。
彼からはファラーシャだけでなくセルセラたちも聞きたい話が色々あるが、まずは体を休めるのが第一だ。
「しかし今回はだいぶ苦労させられたぜ。王国の管理者たちもしっかりしろよって話だが、もともとはダールマークにこんな危険な禁呪が隠されていたところだよな」
「新たな管理規定を定めていると聞いたんだが」
「ああ。できれば遺跡ごと取り上げたいんだが、そうもいかないからな」
「人間の立場としては、危険なものは天界で神様が管理してくれれば楽なんだが……」
「創造の魔術師とは言われていても、辰砂はあくまで人間だ。人が作ったものの尻拭いを神様にさせるのはちょっとなー」
「……そうだな。俺たちが、自分の責任から逃げ出してはいけないのだよな」
レイルはセルセラの言葉にハッとしたように一度目を瞠り、続けて深く頷いた。
「セルセラ、お前と話していると、俺は自分の考えがいかに浅いかを突き付けられるよ。すぐに誰かに頼って、自分の責任、人としての責任から逃げ出してしまいたくなる」
「誰だってきっとそんなもんだろ。どれだけ戦う力を得たって、僕たちはきっと、みんな本当はそんな『強い』人間にはなれないんだろう……あ」
レイルと話しながらもあれこれ作業道具を片づけたり書類の整理をしたりと手元を忙しなく動かしていたセルセラが、届いたばかりの手紙の概要にうっすら目を通して声を上げる。
「どうした?」
「いや……ファリア鉱山の遺跡内で見つけた古語の解読結果が他大陸の研究者から届いたところなんだが……読むか?」
「いいのか? 俺にはお前のような魔導の知識はまったくないが」
「これはそういうんじゃなくて、今話してた『自分の責任』に関連する話だな」
「……?」
怪訝に思いながらも、レイルは便箋のちょうど真ん中あたりに他の文章とはっきり区別されて書かれた、遺跡内に刻まれた古語の解読文へと目を通す。
――竜の骨に眠りし我が遺跡を訪れる者たちよ
魔王の誕生よりすでに数百年の時が過ぎたが、その脅威は日毎増すばかり
私は創造の魔術師・辰砂の「魂の欠片」を宿す者の一人として、その責任を果たさねばならない
この遺跡に、私の研究成果の一つを封印しておく
知識と心を兼ね備えた者であれば、魔王討伐に際して有効活用してくれると信じる
古語を解読した学者から、この部分以外の文章は剥落が大きくて読めなかったと解説されている。
おそらく一度書いた文章を作者自ら消したのではないかと。
劇毒となる禁呪とその伝播に関わる蝶の魔獣の幼体、それらはこの遺跡が作られた数百年も前の魔導士の一人が、魔王討伐のために役立ててほしいと願って封印したものだった。
自ら書いた文章を自ら消して校正したその「創造の魔術師・辰砂の魂の欠片」を宿す一人が、後世の者たちにどんな思いでこれを託したか、本当のところはわからない。
「セルセラ、これは……」
レイルに困惑した顔を向けられたが、セルセラもなんだか気分的にどっと疲れて自分が座る椅子の背に思わず乱暴に身を投げ出した。
「どうやら、相手のことを十分に考えられていないのはお前だけじゃなく僕もだったようだぜ」
「そんなことは……」
「多分、知識のない人間相手に封印が解けたことの方が予想外で、あの禁呪、本当は僕みたいに辰砂の欠片の生成物であることを理解できる人間に使われる予定だったんだろうな」
「そう……なんだろうな」
世界各地に創造の魔術師・辰砂によるとされる遺跡が造られたのは遅くとも六百年以上は前だと言う。
現代では様々な事情が絡み合いダールマークがしっかり管理しているとは言い難い状態となったが、本当は人間より遥かに頑強な肉体を持ち、並の攻撃が通らない可能性もある魔王を倒すのに使われる予定だった。
当時の人間は、まさか魔王との戦いが千年続くとは考えていなかったかもしれない。それでもこのまま魔王が世界の脅威となった際に備えて、後世の者たちに対抗手段の一つを残してくれたのだ。
現代の自分たちは、それを上手く受け取ることができなかったばかりか、一部の人間はそれを悪用した。
「スバル……いや、ボウかもしれない。この文を刻んだ奴にも事情があった。それも知らずに右往左往した僕らは滑稽だったか」
「いや……きっとまだ間に合うさ。まだこの世から、魔王の脅威は消えていないのだから」
レイルは目だけで訴える。
お前なら、できるのではないかと。
「そうだな。きっとどんなものにも、例え僕らの主観からすれば存在することが疎ましいような危険なものであっても……この世に存在するからには、そうして存在した理由が何かあるんだろう」
魔王を倒せるほどの星狩人。戦力的には誰もが認める世界最高峰の自分たち。それでも。
自分には決してできないことがあり、だからともすると責任から逃げて、こんなものもともと存在しなければ良かったなどと、全て責任を誰かに押し付けて逃げ出したくなる。
その重みを、二人は遺跡に残された文章から深く噛みしめた。
◆◆◆◆◆
ディフ監獄で冤罪事件の後始末に奔走していたアリオスは、そういえばセルセラたちに話していないことがあったなと思い出す。
ここに来る前にラウルフィカを始めとする仲間たちとも相談したのだが、伝えない方がいいだろうという結論になった。
「そういえば、あれをセルセラちゃんたちに教えなくていいの?」
「いいんじゃないかなー。多分、聞いても困らせるだけかと」
「三の魔王は?」
「それで三の魔王に思うところがあったとしても、戦いにはあまり影響しないと思いますよ」
「……セルセラの性格からすれば、真実を知りたがるのではないでしょうか」
「でもレイルくんはどうかな? 彼の立場でそんなこと言われたって困るよ」
アリオスが、ラウズフィールが、シェイが、ルゥが、ティーグが、ザッハールがそう言う。
「伝えなくても構わないだろう。伝えても伝えなくとも、セルセラたちのやることは変わらない。どちらかと言えば」
ラウルフィカの言葉に、一同は沈黙するしかなかった。
「あの事実を知って苦しむのはきっと、レイル・アバードよりもその『代役』たる魔王の方だろう」
◆◆◆◆◆
――八十年前。
光溢れる天界で、神々がひそやかに話をしている。
「キノスラの騎士を魔王に?」
「金砂漠の魔王を抑えるには、そうするしかないでしょう」
青の大陸の小国キノスラ周辺地域で魔王が発生した。
魔王の討伐に騎士が赴き、見事魔王を討取ったものの、代わりに不老不死の呪いをかけられた。
そして騎士の主君である聖女は、魔王討伐により周辺の魔獣が活発化したのを抑えるために、命をかけて封印を施した。
「あの騎士は、おそらく魔王になるでしょう」
主君を失い、不老不死の呪いをかけられた一人の騎士。
彼は魔王になると考えられていた。
千年前、背徳神グラスヴェリアと創造の魔術師・辰砂の魂が粉々に砕け散って各地にその魂の欠片を継ぐものを生んだあの日から、背徳神の魂を引き継ぐ魔王は何体も誕生しては、討伐されて消えていった。
人間以外の種族も魔王になることはあるが、人間が魔王となる場合はその背景にどうしようもない悲劇が存在することが多い。
キノスラの聖騎士の事情は、悠久の時を生きる神々が何度も地上で見てきた悲劇の一つだ。
死んだ主君への忠誠が強ければ強いほど、後を追って死ぬこともできないその身の上に絶望し、道を踏み外すことなど容易いと。
天界の神々はむしろそれを好機と見た。
地上に存在する魔王は現在六体。これより少ないことはあるが、これより増えることはない。
魔王を生み出す邪神の能力値の関係から、七体目の魔王の誕生は世界が滅びるのと同義だと言われている。
そんな魔王たちの顔ぶれも、この九百年以上の歳月で何度か変わっている。
六の魔王が発生して五百年、五の魔王と四の魔王は四百年近く。
それ以外の魔王は幾度も生まれては勇者に倒され、今では伝説の一端となっている。
四と五の魔王は現在の二人……正確には一人と一匹になるまで何度か変わったが、六の数字を戴く魔王は発生以来一度も倒されていない。
より正確に言うと、現在「六の魔王」と呼ばれている存在があまりにも強大で、彼を倒すことが長年不可能とされてきた事実からいつしか魔王の数は六体と固定化されていったのだ。
魔王たち自身が自分が「一」だの「三」だの発言したという事実もある。
魔王側も人間とは違う何かの理に支配されているようなのだが、その詳細を知ることのできたものはいなかった。
六体の魔王は基本的に数字が小さいほど弱く、発生からこれまでその座を誰にも譲ることのない六の魔王が桁違いに強い。
六の魔王は誰にも倒せない。
そう言われていた。
その事実は実際に魔王に蹂躙される地上の人間たちだけでなく、天界にてその様を見つめる神々にとっても憂慮すべき事態となる。
「あの邪悪なるものを、このままにしておくわけにはいかぬ」
それまで生まれては倒されていった魔王たちは、皆それぞれに魔王となるだけの事情を抱えたものたちであった。その事情故に、自らの愛する民を殺され狂った背徳神の悲しみに共鳴して魔王となったのだ。
しかし、六の魔王は違う。
絵物語の悪役に相応しい残虐さにより、一切の慈悲も躊躇いもなく、数多の人間を殺害してきた。
姿かたちは人間に近しいが、おそらくその正体は人間ではないのだろう。六の魔王は己だけが強くなりこの地上全ての人間を滅ぼすために、魔王同士で食らい合うことを厭わない。
彼らが魔王となった時に背徳神グラスヴェリアから分け与えられた魂。その力を狙い、他の魔王の魂すらも食らうことを目的とする。
六の魔王が他の魔王を食らい続ければ、いずれ背徳神の復活を、最も邪悪な形で実現することになるかもしれない。
それを阻止するために、天界の神々は六の魔王を抑えられる「魔王」を探していた。
「この騎士ならば、六の魔王も倒せるのではないか。倒せないまでも、殺されることもないだろう」
魔王は不死ではないが、背徳神の魂を核として存在しているため寿命がないのだ。
誰にも倒されることがなければ実質不老不死となる。
六の魔王の発生から五百年も経てば、誰もが彼を倒すことを諦め始める。人間の勇者が勝てるなど夢物語だと。
成し遂げられるものが現れるとしたら、それはもはやただの人間ではないだろう。
すなわち――レイル・アバード。
主君エスタを喪い、不老不死の体にされたレイルはそのまま世界を呪って魔王になるだろうと天界の神々の多くから目されていた。
同じような場面を、もう何度も見てきたからだ。
決して魔王になりたいわけではない。けれど、避けられない悲劇の果てに狂い、堕ちる魂を。
背徳神はその悲しみに寄り添い、自らの力を分け与えて相手を魔王へと変える。
何故なら背徳神自身の狂気もまた、愛しい民を喪った悲しみに始まるから。
主君を守れず絶望した騎士が次の魔王になるのは、神々の目からするともはや確実。
その騎士がたまたま類稀なる強さであるのなら、六の魔王に対抗する存在となることに望みを掛けよう。
騎士は不幸かもしれないが、六の魔王に食われずその力を抑えられる魔王が発生すれば世界は少しだけ平和になる。
天上の神々はそう考え、レイルを「魔王にするために」手出しすることを考えた。
「なりません」
「ですが姉上」「月の女神よ」
「地上の魔王の動向に手を加えることを固く禁じます。そのような形で人間の意志に関与してはなりません。魔王になるもならないも、人の子自身に決めさせるのです」
――結果として、レイル・アバードは、魔王になって己の力を振りかざすことはなかった。
レイルは不老不死の己の身を疎み絶望しながらも、決して他者に悪意を向けることはなく、自らの呪いを解く方法を探すことを選んだ。
その決断を知って神々は主神の妻たる月神セーファが正しかったことを知る。
すべてのものが魔王になるわけではない。
己を律し続ける道を選ぶ者もいる。それが人間なのだと。
同じ頃、近くの別の小国でも問題が起きた。
王が「聖女」を、人心を惑わす「魔女」と断罪し、火にかけたのだ。
この頃は今のように天界に存在する神々の眷属が「聖女」を発見・補佐するような組織はなく、生贄術と呼ばれる特殊な術師が自己申告で聖女としての活動を担ったため、国家権力の望まぬ行動を取ると異端の疑いを掛けられ処刑されることがあった。
全ての国がそうだったわけではないが、青の大陸は基本的に信仰に厳しい。
ある王国で活動していた聖女は、ついにその地位を認められることなく火刑に処された。
そして「聖女」に協力していた王子は父を始めとする王国の聖女に対する所業を受け入れることはなく、その復讐のために「魔王」になることを選んだ。
キノスラの騎士レイルが当時の三の魔王ゲルトルートを倒して空席となった「射手の魔王」の地位。
聖女を殺された王子は、ゲルトルートと同じく遠距離戦を得意とする能力を持っていたために、そのまま「射手の魔王」の地位に納まった。
騎士は魔王を恨まなかったので魔王にならなかったが、王子は「聖女」を殺した実の父を憎み、魔王となる道を選ぶ。
◆◆◆◆◆
『だから、お前はあの男の代役なのだよ』
いつぞや薄ら笑いを浮かべて囁いた六の魔王に、その時のラヴァルはこう返した。
『……へぇ、それで?』
『憐れなことよな。ゲルトルートを倒した男がそのまま魔王になっていれば、お前がそんなことをする必要もなかった』
元王子ラヴァルは、自分が父への復讐を果たし魔王になった瞬間、逃れられない運命の中に足を踏み入れてしまったことを知った。
『じゃあ俺はそいつに感謝しなきゃな。そいつが魔王を空位にしてくれていたおかげで、俺はあの国に復讐することができたのだから』
六の魔王と睨み合う。
ラヴァルにもわかっている。自分はこの男には勝てない。
けれど、黙って食われる気はない。
『大丈夫? ラヴァルちゃん』
『誰がちゃんだ誰が』
一の魔王ドロミットに案じられる。
この頃はまだ、二の魔王は空位だった。
『せいぜい上手く立ち回ることね』
五の魔王リヒルディスが助言してくる。
『六の魔王は私たちを配下含めて完全に御せると思った時機にしか仕掛けてこないわ。まずは拠点防衛のために配下を増やしなさい』
『我々も気が向けば力を貸そう。奴がこれ以上力をつけるのは、我々にとっても不都合なのでな』
四の魔王アサード――もともとは獅子であり術で人型になるのを選ぶこともなくその姿で過ごしている彼は、五の魔王リヒルディスと組んで行動しているのだそうだ。
同時期に魔王となった一人と一匹は、早々に同盟を組んで魔王二体分の力で六の魔王に対抗し、一から三の魔王もそれぞれ協力し合うことで六の魔王に邪神の力ごと食われることを防いでいた。
ドロミットとラヴァルの共闘関係に十年程前に新たな二の魔王ハインリヒが加わり、しかし最近になって均衡が崩れ去った。
星狩人による、一の魔王ドロミット、二の魔王ハインリヒの討伐。
これまでも魔王が倒されることはあった。
ラヴァルが三の魔王になったときには空位だった二の魔王の座は二度ほど埋まり、そのどちらも星狩人に倒された。
それでもラヴァルにとって、自分より早くから魔王として存在していたドロミットまでもが敗北したのは衝撃であった。
いずれ勇者はこの地にもやってくる。自分を殺すために。
だが、ドロミットのような魔族ではない、普通の人間から魔王となったラヴァルにとっては、八十年という時間は精神をすり減らすには十分過ぎた。
ここ数年はハシャラートのゼィズやダールマークのフェング王と面識を持ち自分としては珍しく活発に行動していた気もするが、そのゼィズが呆気なく死に、フェングも玉座を追われたと聞いてまた時の流れる無常さを感じずにはいられない。
それでもどこかで、やっと解放されるのだと言う安堵を感じていた。
わざわざ努力して自分を倒しに来る勇者には見せられない姿だなと思った。
「よぉ、あんたが射手の魔王か? 亡国の王子」
「初めましてだな、天上の巫女さんよ。亡国を作ったのは俺だがな」
この戦いが、きっと最後だ。
やすやすと負けてやるつもりはないが、生き延びる気もラヴァルにはなかった。