古備前信房

こびぜんのぶふさ

概要1 酒井信房について

銘文、表記、呼び方等

「太刀 銘 信房作」
「太刀 銘 信房作 附糸巻太刀拵」
「酒井信房」

 

略歴

酒井忠次が天正12年(1584)小牧・長久手の戦いで戦功をあげ、徳川家康から授けられた。

以後、酒井家伝来。

1931年(昭和6)1月19日、国宝(旧国宝)指定。
1952年(昭和27)3月29日、国宝(新国宝)指定。

現在も酒井家ゆかりの「致道博物館」蔵。

「信房」という名の刀工については古来より「古備前」と「古一文字」に同名の刀工がいるとされ、しかもこの二人がよく混同されている。

酒井家伝来の国宝「太刀 銘 信房作」については、古くは「一文字信房」と伝えられ、明治以降の近代の研究で「古備前信房」と鑑定され、更に大体1970年代頃に新資料が発見されたことから再び「一文字信房」の作との見方が強くなったという。

「信房作」の銘から信房という名の刀工の作品であることは確定しているが、古備前と古一文字の作風に相違は少なくその区別は難しいという。

酒井家の信房に関しては「信房」の銘が刻まれた刀剣の中では最も古雅で出来が優れているという

 

1584年、酒井忠次が小牧・長久手の戦いの戦功により徳川家康より拝領

荘内藩酒井家初代・酒井忠次が天正12年(1584)小牧・長久手の戦いで戦功をあげ、徳川家康から授けられた。

以後、酒井家伝来。

「大日光 (49)」(雑誌・データ送信)
発行年:1978年8月(昭和53) 出版者:日光東照宮
目次:拝領の太刀 酒井忠明(鶴岡・致道博物館長)
ページ数:31 コマ数:18

 

1931年(昭和6)1月19日、国宝(旧国宝)指定

昭和6年(1931年)1月19日、国宝(旧国宝)指定。
酒井忠良伯爵名義。

「太刀 銘 信房作 附糸巻太刀拵」

『官報 1931年01月19日』
著者:大蔵省印刷局 [編] 発行年:1931年(昭和6) 出版者:日本マイクロ写真
目次:文部省告示第九号 昭和六年一月十九日
ページ数:335 コマ数:2

 

1952年(昭和27)3月29日、国宝(新国宝)指定

昭和27年(1952)3月29日、国宝(新国宝)指定。
酒井忠明氏名義。

「太刀 銘 信房作」

『指定文化財総合目録 [昭和43年版] (美術工芸品篇)』(データ送信)
発行年:1968年(昭和43) 出版者:文化財保護委員会
目次:山形県
ページ数:9 コマ数:14

 

現在

現在も「致道博物館」蔵

「致道博物館」は1950年(昭和25)年、旧荘内藩主第16代酒井忠良氏が土地建物および伝来の文化財などを寄附し、財団法人以文会が設立されたと言う。

酒井家がずっと所持していると言える。

参考:
「致道博物館」

 

作風

長さ二尺五寸一分(約76.0㎝)
反り七分六厘(約2.3㎝)。
元幅九分二厘(約2.8㎝)。

鎬造、庵棟、細身ながら踏ん張りあり。
鍛は小板目、地沸強く、湯走りごころあり、乱映り立つ。
刃文は沸厚き小乱に足・葉入り、焼幅広く、帽子は火焔で殆ど一枚である。
茎は生ぶの雉子股形、鑢目は切。
表に「信房作」と銘がある。

『紀元二千六百年奉祝名宝日本刀展覧会出陳刀図譜』
著者:遊就館編 発行年:1940年(昭和15) 出版者:遊就館
目次:古刀の部 六十九 太刀 銘 信房作(国宝)
ページ数:66 コマ数:140、141

刃長に関しては「文化遺産オンライン」では76.1㎝。
「国指定文化財等データベース」では76.0㎝。
昭和頃の研究書や国宝紹介系の書籍などでは75.4㎝と表記されていることが多い。

 

外装 「糸巻太刀拵」

付属の糸巻きの太刀拵は江戸時代の作。

柄は茶糸巻、鞘は梨子地に葵紋散らし、葵と桐紋の総金具類付き、胴魚子地に糸巻太刀拵がつく。

『国宝 第3 (平安時代 下) 解説』(データ送信)
著者:毎日新聞社国宝委員会 編 発行年:1965年(昭和40) 出版者:毎日新聞社
目次:工芸 169 太刀 銘 信房作 一口
ページ数:100、101 コマ数:112、113

 

古備前ではなく一文字かもしれない

「古備前信房」とされていた刀だったが、近年(1970年ごろ)に二字銘の信房に関する新資料が発見されて「一文字信房」であるとの見方が強くなっているらしい。

『国宝 8 [増補改訂版]』(データ送信)
発行年:1984年(昭和59) 出版者:毎日新聞社
目次:工芸品Ⅲ 刀剣
ページ数:168 コマ数:174

古備前信房だとすれば「平安時代」
一文字信房だとすれば「鎌倉時代初期」
の作品となる。

両者は作風銘ぶりに相違が少なく区別は難しい。

酒井家の信房に関しては「信房」の銘が刻まれた刀剣の中では最も古雅で出来が優れているという。

『武将と名刀』(データ送信)
著者:佐藤寒山 発行年:1964年(昭和39) 出版者:人物往来社
目次:酒井左衛門尉忠次とその愛刀
ページ数:280、281 コマ数:145

酒井家の信房に関しては触れていないが、二字銘の信房に関して新資料が「今年」発見されたと言及しているのは1970年刊行の『日本刀講座 第10巻 新版』である。
ここから1960年代後半から遅くても1970年までには二字銘の信房に関して新資料が発見されたと思われる。

『日本刀講座 第10巻 新版』(データ送信)
発行年:1970年(昭和45) 出版者:雄山閣出版
目次:日本刀の問題点
ページ数:146、147 コマ数:195

酒井家の信房に関してはこの1970年前後の新資料の発見から、上記通り1984年の『国宝 8 [増補改訂版]』までには再検討がなされて「古備前ではなく一文字信房」だという見方が強くなったようである。

 

「酒井信房」の号で呼ばれることもある

最近の刀剣関連の本やサイトだと「酒井信房」の名で呼ばれていることもある。

参考サイト:「刀剣ワールド」
参考文献:『刀剣目録』

『刀剣目録』(紙本)
著者:小和田康経 発行年:2015年(平成27) 出版者:新紀元社
目次:≪第一章 平安時代≫ 備前国内 信房 酒井信房
ページ数:42

 

概要2 古備前信房について

刀工・古備前信房について

備前国、古備前派の刀工。
平安時代、永延(987~989)頃の刀工とされる。

古一文字に同名の刀工がおり、両者はよく混同される。

『古刀銘尽大全』では、
「信房」の二字銘を古備前信房
「信房作」三字銘を一文字信房

の作と記している。

昭和年代には『古刀銘尽大全』とは逆に三字銘の「信房作」に古備前信房とみられる作品が多いと鑑定されていたが、1970年前後に二字銘の新資料が発見されたため、再検討されている。

今日では三字銘の「信房作」の刀剣でも古備前信房ではなく一文字信房の作品との見方が強くなったものもある。

 

活躍年代

平安時代、永延(987~989)頃の刀工とされる。

『日本刀工辞典 古刀篇』
著者:藤代義雄 発行年:1938年(昭和13) 出版者:藤代義雄
目次:〔の〕 信房
ページ数:205、206 コマ数:110、111

『趣味の日本刀 新訂増版』(データ送信)
著者:柴田光男, 大河内常平 共著 発行年:1971年(昭和46) 出版者:雄山閣出版
目次:最新刀剣価格一覧
ページ数:299 コマ数:160

 

作風

古備前の特徴通りの細身で、踏ん張りのある、反りの深い、小切先となった優美な姿。
小丁子乱に小乱を交えた小出来の刃文。
多少焼幅に広狭を見せ、刃中の働きは沸、匂の足が盛んに入り見事。

『日本刀の歴史 古刀編』(紙本)
著者:常石英明 発行年:2016年(平成28) 出版者:金園社
(『日本刀の研究と鑑賞<古刀編>』(1977年)を再編集したもの)
目次:第2部 全国刀工の系統と特徴 備前国(岡山県) 古備前の特徴 信房
ページ数:301

 

古備前派と福岡一文字派の同名鍛治「信房」の混同の歴史

『日本刀の歴史 古刀編』によると、古備前信房と古一文字信房の作品は、かなり昔から混同されていたという。

『古刀銘尽大全』では、
「信房」の二字銘を古備前信房
「信房作」三字銘を一文字信房

の作と記している。

しかし、昭和60年代辺りまでの刀剣書によると、三字銘の「信房作」とされているものに古備前とみられる作品が多いと鑑定され、古剣書の記述とは逆の結果とされていた。

「信房」の二字銘が一文字信房
「信房作」三字銘が古備前信房

ところが、1970年ごろに二字銘の信房の新資料が発見されたため、更に再検討が始まった。

酒井家の信房などは伝来としては一文字、鑑定で古備前とされてきたものが、この再検討により現在では一文字であるとの見方が強くなったという。

『日本刀の歴史 古刀編』(紙本)
著者:常石英明 発行年:2016年(平成28) 出版者:金園社
(『日本刀の研究と鑑賞<古刀編>』(1977年)を再編集したもの)
目次:第2部 全国刀工の系統と特徴 備前国(岡山県) 古備前の特徴 信房
ページ数:301
目次:第2部 全国刀工の系統と特徴 備前国(岡山県) 福岡一文字一派 信房
ページ数:311、312

『日本刀講座 第10巻 新版』(データ送信)
発行年:1970年(昭和45) 出版者:雄山閣出版
目次:日本刀の問題点
ページ数:146、147 コマ数:195

『国宝 8 [増補改訂版]』(データ送信)
発行年:1984年(昭和59) 出版者:毎日新聞社
目次:工芸品Ⅲ 刀剣
ページ数:168 コマ数:174

 

著名作(現在「古備前信房」の代表作と考えられているもの)

酒井信房(上記)

概要1で紹介した酒井家伝来、国宝太刀の信房。

荘内藩酒井家初代・酒井忠次が天正12年(1584)小牧・長久手の戦いで戦功をあげ、徳川家康から授けられた。

以後、酒井家伝来。

ただし近年の研究では古備前ではなく一文字ではないかと再検討されている。

 

十万束

古備前信房の作にしては珍しく大出来のもので、地刃も健全で同名中の白眉。
十万束の号は、この太刀の代付けが稲束十万束だったからと言われている。
しかしその稲束十万束がどんな価格かを含めて定かではないようだ。
現在は御物。

『日本の刀剣 (日本歴史新書) 』(データ送信)
著者:佐藤貫一(佐藤寒山) 発行年:1961年(昭和36) 出版者:至文堂
目次:二 各時代の刀工 3 古備前派の諸工
ページ数:121、122 コマ数:72、73

『銘刀押形 : 御物東博』(データ送信)
著者:佐藤貫一, 沼田鎌次 編  発行年1958年(昭和33) 出版者:日本美術刀剣保存協会
目次:一〇九 御物 太刀 銘 信房作 号 十万束
ページ数:116、117 コマ数:126、127

『名刀集美』(データ送信)
著者:本間順治 編 発行年:1948年(昭和23) 出版者:日本美術刀剣保存協会
目次:古刀の部
コマ数:191

 

概要3 一文字信房について

古備前信房とよく混同されている一文字信房について『日本刀大百科事典』の記述を参考に軽くまとめる(古剣書のほとんどは直接確認はできない)。

古備前と一文字の信房が大体どういう扱われ方であるのかを調べないと、両者の記述の混同問題の厄介さが見えて来ないので。

一文字信房は福岡一文字派とも言えるが、どちらかと言うと福岡一文字派の祖の則宗と同年代の初期一文字、古一文字などと呼ばれる時代の刀工である。

刀工・一文字信房について

鎌倉時代初期、備前国の古一文字の刀工(福岡一文字派ともされる)。

延房と区別するため、信房をシンボウとも読む。
(延房をエンボウ、信房をシンボウと呼び分ける)

出自については備前延真の子とする説、延房の父とする説、延房の子とする説、延房の初期銘とする、などがある。

元暦(1184)のころ、三十五歳ともいう。

後鳥羽上皇二十四人番鍛冶の九月番。
粟田口久国とともに鍛治奉行をつとめた。

権守または長原権守に任じられ、「日本鍛治惣長」「日本鍛治惣匠」「日本鍛治之宗匠」「日本国鍛治の長者」「日本惣長者」「日本国惣領上」などの称号を許された。

“注進物”にも選ばれ、桜丸、遠雁丸、後鳥羽上皇の摺丸、壇ノ浦に沈んだ神剣の代わりの新宝剣、宇都宮家伝来の壺切または鹿切を造った。

(ただしこの名作の類もかなり作者が混同されていると思われる例があるので詳しいことは定かではない)

信房の作を持つものは、七代まで守るべし、と鹿島大明神のお誓いがあった、という伝説もあるという。

『日本刀大百科事典』では信房の項目で“以上の記述から見て、延房との混同が多く、同人説のあるのも無理はない。”としている。

 

延房と区別するため、シンボウとも読む

延房と区別するため、シンボウとも読む。
(『古今鍛冶備考』『徳刀流目利書』)

 

出自と活躍年代

出自については

備前延真の子とする説(『校正古刀銘鑑』『掌中古刀銘鑑』)
延房の父とする説(『校正古刀銘鑑』『掌中古刀銘鑑』『鍛冶銘字考』)
延房の子とする説(『古刀銘盡大全』『長谷川忠右衛門刀工系図』『日本国鍛冶惣約』)

延房の初期銘とする説(『新刊秘伝抄』)などがある。

一文字なのに備前延真という刀工の子とする説があるのか? と疑問に思うが刀剣書の記述によるとどうもそういうものらしい(親が古備前でも子は一文字の刀工とされるパターン)。

『日本刀の研究 後編』(データ送信)
著者:倉田七郎 発行年:1937年(昭和12) 出版者:偕行社
目次:第一章 古刀鑑定法 第五節 備前傳
ページ数:321 コマ数:31

活躍年代については、元暦頃の刀工とされる。

『日本刀工辞典 古刀篇』
著者:藤代義雄 発行年:1938年(昭和13) 出版者:藤代義雄
目次:〔の〕 信房
ページ数:205、206 コマ数:110、111

 

後鳥羽上皇二十四人番鍛冶の九月番

『日本刀大百科事典』によると、

後鳥羽上皇二十四人番鍛冶の九月番。
(『古今鍛冶備考』『古刀銘盡大全』『長谷川忠右衛門刀工系図』『日本国鍛冶惣約』『日本国中鍛冶銘文集』『鍛冶銘字考』)

粟田口久国とともに鍛治奉行をつとめた。
(『古刀銘盡大全』『長谷川忠右衛門刀工系図』『日本国鍛冶惣約』)

権守(『長享目利書』『長谷川忠右衛門刀工系図』『長享銘盡』『日本国鍛冶惣約』『日本国中鍛冶銘文集』『天文目利書』『鍛冶銘字考』)

または長原権守(『古今鍛冶備考』『正銘写物目録』)に任じられ、

日本鍛治惣長(『鍛冶銘字考』)
日本鍛治惣匠(『相州秋広廿五ヶ国押形増補本』)
日本鍛治之宗匠(『能阿弥本』)
日本国鍛治の長者(『日本国中鍛冶銘文集』)
日本惣長者(『長享銘盡』)
日本国惣領上(『長享目利書』)

などの称号を許された。

 

「信房の作を持つものは、七代まで守るべし」とのお誓い

信房の作を持つものは、七代まで守るべし、と鹿島大明神のお誓いがあった、という伝説(『日本国中鍛冶銘文集』)もあるという。

 

著名作(ただし詳細不詳の伝説が多い)

“注進物”にも選ばれた(『上古秘談抄』)。

桜丸(『長享目利書』、『鍛冶銘字考』)
遠雁丸(『正和銘鑑(観智院本)』)
後鳥羽上皇の摺丸(『古刀銘盡大全』『本朝鍛冶考』)
壇ノ浦に沈んだ神剣の代わりの新宝剣(『古刀銘盡大全』『新刊秘伝抄』『本朝鍛冶考』)
宇都宮家伝来の壺切(『古刀銘盡大全』『長谷川忠右衛門刀工系図』『日本国鍛冶惣約』『本朝鍛冶考』)
または鹿切(『長享目利書』)

などの名作の作者とされる。

ただしこれらの作品は別の文献では別の作者の名が挙がっているものも多い。
一文字信房の子とされる一文字延房との混同も見られる。

 

調査所感

・呼び名はあるっちゃあるけれど

とうらぶだと「古備前信房」で実装された刀ですが、信ボーはどうやら刀剣書の一部だと「酒井信房」という名で呼ばれてますね。
ネット上でもこの名で説明しているサイトがちらほらあります。

近年(昭和後半辺りから)おもに刀剣研究者たちに呼ばれている名前を号として紹介されている刀はいっぱいありますが、とうらぶの方でそれを採用せずに刀工名の方で来るのは珍しいというかなんと言うか。

「酒井信房」の方で覚えていた人が号なしの「古備前信房」で紹介された時の感覚が気になるところです。

・まとめておいて何ですが(1) ご自分で刀剣書読んだ方がいいと思います

種々の混同問題が多く、ある程度どういう感じの刀工と刀なのか掴むには一文字側の信房・延房の記述もみないと全体像が掴みにくいと思います。

過去一まとめ方が難しかった刀で正直これだけじゃ何もわからないも同然ですので、古備前信房について調べたい方はぜひご自分で刀剣書の古備前と一文字の項目をお読みください……。

私がここでまとめたものよりも、この「信房」をめぐる問題について各研究者が真剣に考察したものを直接見ながら情報を整理したほうがいいと思います。

・近年の訂正?

酒井信房は「一文字信房」ではなく「古備前信房」……と訂正されているはずだったのですが、『国宝 8 [増補改訂版]』に気になる情報が。

近年では二字銘の信房に関する新資料が発見されて一文字信房であるとの見方が強くなっているとか。
なかなか難しい話です。

『国宝 8 [増補改訂版]』(データ送信)
発行年:1984年(昭和59) 出版者:毎日新聞社
目次:工芸品Ⅲ 刀剣
ページ数:168 コマ数:174

・肝心の「古備前信房」と呼ばれる酒井家の信房について考える時

単にとうらぶのプレイヤー目線で「古備前信房」というキャラクターについて考えたいときどうすんのよという話ですが、そもそもこれまで古備前信房の作と考えられていた酒井信房自体が一文字の作かもしれないんですよね。

「古備前信房と呼ばれていた刀が、実は一文字信房の作かもしれない」

もともとこういう要素を前提として設計されている男士なのではないでしょうかね……?

古備前と古一文字だと作風が近すぎて、研究者も両者の区別がつかないと匙を投げている。それが大前提。

刀剣の逸話は事実とは思えないものがあったり、史実に明確に反しているので創作と判定されていたり、そもそも詳細がわからないものが無数にあります。

おそらく刀剣男士という存在は名称と実態があまり一致していない、逆に名称重視故に実態とずれている最新研究はあえて留保している、などなどの要素が仄めかされています。

信ボーに関しても「酒井家に伝えられた古備前信房と呼ばれている刀」の男士として存在しているんじゃないでしょうかね?

 

参考サイト

「文化遺産オンライン」
「国指定文化財等データベース」
「致道博物館」
「刀剣ワールド」

 

参考文献

『日本刀講座 第8巻 (歴史及説話・実用及鑑賞)』(データ送信)
著者:雄山閣 編 発行年:1934年(昭和9) 出版者:雄山閣
目次:刀剣国宝解説
ページ数:91、92 コマ数:514、515

『名刀集美』(データ送信)
著者:本間順治 編 発行年:1948年(昭和23) 出版者:日本美術刀剣保存協会
目次:古刀の部
コマ数:192

『国宝図録 第2集 解説』(データ送信)
著者:文化財協会 編 発行年:1953年(昭和28) 出版者:文化財協会
ページ数:41、42 コマ数:27、28

『日本の刀剣 (日本歴史新書) 』(データ送信)
著者:佐藤貫一(佐藤寒山) 発行年:1961年(昭和36) 出版者:至文堂
目次:二 各時代の刀工 3 古備前派の諸工
ページ数:121、122 コマ数:72、73

『武将と名刀』(データ送信)
著者:佐藤寒山 発行年:1964年(昭和39) 出版者:人物往来社
目次:酒井左衛門尉忠次とその愛刀
ページ数:280、281 コマ数:145

『国宝 第3 (平安時代 下) 解説』(データ送信)
著者:毎日新聞社国宝委員会 編 発行年:1965年(昭和40) 出版者:毎日新聞社
目次:工芸 169 太刀 銘 信房作 一口
ページ数:100、101 コマ数:112、113

『日本刀講座 第10巻 新版』(データ送信)
発行年:1970年(昭和45) 出版者:雄山閣出版
目次:日本刀の問題点
ページ数:146、147 コマ数:195

『武将とその愛刀』(データ送信)
著者:佐藤寒山 発行年:1971年(昭和46) 出版者:新人物往来社
目次:酒井左衛門尉忠次とその愛刀
ページ数:316、317 コマ数:166

『薫山刀話』(データ送信)
著者:本間順治 発行年:1974年(昭和49) 出版者:東京出版
目次:第三話 大名家の名刀 庄内酒井家
ページ数:85 コマ数:76

『特別展「日本の武器武具」』(データ送信)
発行年:1976年(総和51) 出版者:東京国立博物館
目次:112 太刀 銘 信房作
コマ数:153

『日本刀紀行 : 五か伝の古里を行く』(データ送信)
発行年:1976年(昭和51) 出版者:青雲書院
目次:太刀 銘 信房作 国宝
コマ数:44

「大日光 (49)」(雑誌・データ送信)
発行年:1978年8月(昭和53) 出版者:日光東照宮
目次:拝領の太刀 酒井忠明(鶴岡・致道博物館長)
ページ数:31 コマ数:18

『国宝 8 [増補改訂版]』(データ送信)
発行年:1984年(昭和59) 出版者:毎日新聞社
目次:工芸品Ⅲ 刀剣
ページ数:168 コマ数:174

『文化誌日本山形県』(データ送信)
著者:麻木脩平 [ほか]編集 発行年:1984年(昭和59) 出版者:講談社
目次:致道博物館の美術品
ページ数:326 コマ数:167

『NHK国宝への旅 別巻』(データ送信)
発行年:1990年(平成2) 出版者:日本放送出版協会
目次:山形県 致道博物館
ページ数:28 コマ数:18

『新・日本名刀100選』(紙本)
著者:佐藤寒山 発行年:1990年(平成2) 出版社:秋田書店
(中身はほぼ『日本名刀100選』 著者:佐藤寒山 発行年:1971年(昭和46) 出版社:秋田書店)
目次:9 酒井の信房
ページ数:123~125

『日本刀大百科事典』(紙本)
著者:福永酔剣 発行年:1993年(平成5) 出版者:雄山閣
目次:のぶふさ【信房】
ページ数:4巻P165

『日本刀の歴史 古刀編』(紙本)
著者:常石英明 発行年:2016年(平成28) 出版者:金園社
(『日本刀の研究と鑑賞<古刀編>』(1977年)を再編集したもの)
目次:第2部 全国刀工の系統と特徴 備前国(岡山県) 古備前の特徴 信房
ページ数:301
目次:第2部 全国刀工の系統と特徴 備前国(岡山県) 福岡一文字一派 信房
ページ数:311、312

 

概説書

『日本刀図鑑: 世界に誇る日本の名刀270振り』(紙本)
発行年:2015年(平成27) 出版者:宝島社
目次:名刀列伝225 刃の煌めきに歴史を詠む古備前の名刀 信房
ページ数:39

『刀剣目録』(紙本)
著者:小和田康経 発行年:2015年(平成27) 出版者:新紀元社
目次:≪第一章 平安時代≫ 備前国内 信房 酒井信房
ページ数:42