Making 真面目編(天狗編)

去る何ヶ月か前、人気投票で、ありがたくも天狗のキャラに入れてくださった方に、お礼として、天狗でのメイキングを作ってみました。天狗だけ私の絵はなぜか凝っているので、どんな風にしてあのエセ和風を作っているのか、お見せしたいと思います。

道具用意

今回使用した画材をご紹介します。まず、コピックから。顔しか使ってないので、本数が少ないのが、他のものとの大きな違いともいえますね。ちなみに、右側が七矢の色で、左側に四練の色をまとめてみました。

次に透明水彩。こちらは普段と使う量はそんなに変わらないとは思いますが、天狗はカラーが決まっている作品でもあるので、個人の色が多くて4色くらいしか使いません。同じように、右側に七矢、左側に四練の色合いを集めてみました。

最後のがペン入れに用いたもの。他のと違うのが、ここですかね。マルチライナーもどきペン。正式名称は三菱のPINってメーカーのですね。これは世界堂とかでも手に入れられますよ。今回は0.1と0.2を使用しました。ちなみに0.3も持ってます。あと、有名コピックマルチライナー。今回は0.5を使用。0.5の他に0.1、1.0もあります。私としては0.1では三菱のものがおすすめですね。なぜかといいますと、私みたいに筆圧が高いとマルチライナーはペン先をつぶしやすいのです。最後のが、普通に事務用品として売っている水性サインペン。ペンテルのです。というわけで今回はペン入れだけで4種類使います。多いときは6種類とかざらに使います。だいたい天狗の絵を1~3枚描くと、サインペンはインクがなくなります。

他の画材(紙など)は他のメイキングをご覧ください。

1.下絵

今回はお礼もこめて、七矢と四練(四紋)を出すのを決めていたので、その二匹をメインに。ってそれしかいないですが。でもどちからというと順位上の七矢より四紋メインになってしまいました。はて。場面としては小説より『四練』、四紋が小太郎を殺す決意を七矢に伝える場面です。そこでは七矢は仮面を被っているはずですが、そこはお礼なのでなしになってるだけです。

そして天狗設定を今まで丸無視し、翼を描いていなかったので、描いてみました。ちなみに天狗は裸足設定です。そして四紋の爪は一応妖怪の一種ですので、そういう色の爪が生えているんですよ。いつものマニキュア好きじゃないですからね!

2.ペン入れ1

下絵をさらりと同じようにペン入れします。使ってるのは三菱の0.1です。

3.ペン入れ2

下絵が終わったら顔から線を太くして、影をつけます。このときも使っているのは三菱の0.1です。顔のパーツを太くしたら、髪の毛に影をつけていきます。首の影とかはもう、大げさなほどに。そうして調子に乗って襟元の影をつけているあほな私。

ちなみに全身の影をつけない理由は後ほど。

4.色塗り(コピック:顔)

顔のパーツの影をつけたら、コピックで顔を塗ります。

七矢は本来は黄色の目ですが、普段は黒色の目という設定なので、Cの5と7で目を黒くします。髪は紺色なのでB37の後にCの5で濃くしています。あと耳飾と唇がR27です。

四紋は髪がちょっと以前のコピックで番号がわからないけど茶色とE47を重ねています。目はR59です。耳飾がY06です。四紋は髪の塗り方が光ではなく、色違いで影を出す塗り方なので、ちょっと違います。七矢も珍しく私にしてはコピックで重ね塗りするキャラですね。

5.色塗り(透明水彩:体)

次に着物を塗っていきます。

七矢は七宮カラーで紅色と決まっていますので、赤をメインに。単は…今知りました、こげ茶だと思って使っていた色は正式名称がバンダイクブラウンだそうです。で、狩衣がレッドですね。写真ではちょっと茶色に見えなくも無かったんですが。で、袴が縹色という設定ですが、そんな色当然無いので、ブルーとブラックを混ぜています。

四紋は四宮カラーが山吹色と決まっているので、黄色メインに。本来の山吹色はもうちょっと明るくてオレンジぎみですかね。単の着物は鶸色がオリーブグリーン、狩衣は山吹色がイエローディープです。で、四紋は袴が紅樺色なので、当然そんな色はなく、バーミリオンとレディッシュブラウンを混ぜています。

このとき、すでに四紋の下の岩の彩色を済ませています。岩とこけのつもりでオリーブグリーンを飛ばしています。そして翼。天狗の翼は漆黒。としたので、まず灰色で全体を塗ってから、黒を重ねていきます。翼なので、太めの線で羽を意識して、下の方から塗っていくと、うまくいきやすいです。ちなみにコピックで塗るときは逆に上から塗っていきます。どうしてかというと、羽の付け根をうまく表現できる(ごまかせる)方法の違いですね。

6.ペン入れ3

そうして色を塗り終わったら、もう一度ペン入れします。今度は身体まで。

何故最初にしないかと申しますと、5のときの絵を良く見ていただくとわかる(特に四紋)んですが、透明水彩が黒のペン入れをつぶすんですね。だからインクの無駄な気がして、体の部分は後から塗ります。あと水性サインペンは水に滲むので、後から塗るといい具合になるんですね。(なのに先に塗って大変でした←馬鹿)

まず、襟元は髪は0.2を、襟元は0.2と0.5で。その他は0.5とサインペンを使っています。もー、影は大げさなほどにつけますよ。一部黒くてなにかわかんねーって位に。といかやり始めると止まらないんですよね。

7.仕上げ

あとは背景ですね。今回はブルー一色で月夜を表現してみました。青い雲と真っ白な月ですが、そう見えますかね。

あと、全体的に翼がよくわからなかったので、もう一度黒で重ね塗りをしました。

そんな感じで完成です。

反省

・久しぶりで影のつけ方がなってなかった。
・七矢がうっかり八嶋みたいな髪型になってしまった。
・四紋の表情がちょっと気に食わない。童顔気味になってしまった。
・四紋の足がうまくいかなかった。
・ちょっと翼がかっこよくなかった。

ちなみに各宮の色はこう決めてるんですよ!普通にはない色ばっかですけどね。各宮の色ですが、本来は虹色+白と黒で決めました。

・一宮(冬宮):イメージは深紫色。紫系。
宮の格好:単は瑠璃色、狩衣は深紫色、袴は白練(しろねり)色、袖露は白色。
一般的な天狗の格好:単は二藍(ふたあい)色:紫系、狩衣は消炭(けしずみ)色、袴は紫紺(しこん)色、袖露はなし。
・二宮(白天狗の宮):イメージは白色。白系。
宮の格好:単は薄色、狩衣は白色、袴は代赭(たいしゃ)色:茶色系、袖露は白色。
一般的な天狗の格好:単は銀鼠(ぎんねず)色、狩衣は消炭色、袴は青鈍(あおにび)色:灰色系、袖露はなし。
・三宮(春宮):イメージは若草色。緑系。
宮の格好:単は菜の花色、狩衣は若草色、袴は伽羅(きゃら)色:茶色系、袖露は緑色。
一般的な天狗の格好:単は若竹色、狩衣は消炭色、袴は緑色、袖露はなし。
・四宮(夏宮):イメージは山吹色。黄系。
宮の格好:単は鶸(ひわ)色:薄緑系、狩衣は山吹色、袴は紅樺(べにかば)色:赤茶色系、袖露は柳茶色。
一般的な天狗の格好:単は桑染色:黄色系、狩衣は消炭色、袴は煤竹(すすたけ)色:茶色系、袖露はなし。
・五宮(尼天狗の宮):イメージは瑠璃色。藍系。
宮の格好:単は勿忘草色:青色系、狩衣は瑠璃色、袴は白緑色:(びゃくろく):薄緑系、袖露は鉛色。
一般的な天狗の格好:単は千草色:青系、狩衣は消炭色、袴は錆御納戸(さびおなんど)色:青灰系、袖露はなし。
・六宮(木の葉天狗の宮):イメージは青色。青系。
宮の格好:単は青磁(せいじ)色:緑系、狩衣は青色、袴は半(はした)色:紫系、袖露は花浅葱色:青系。
一般的な天狗の格好:単は舛花(ますはな)色:青灰系、狩衣は消炭色、袴は藍鼠(あいねず)色:灰色系、袖露はなし。
・七宮(烏天狗の宮):イメージは紅色。赤系。
宮の格好:単はこげ茶色、狩衣は紅色、袴は縹(はなだ)色:青系、袖露は鴇羽(ときは)色:薄赤系。
一般的な天狗の格好:単は消炭色、狩衣は墨染色、袴は黒色、袖露はなし。
・八宮(秋宮):イメージは橙色。橙系。
宮の格好:単は退紅(たいこう)色:薄赤系、狩衣は橙色、袴は玉子色、袖露は紅鳶(べにとび)色:赤茶色系。
一般的な天狗の格好:単は遠州茶(えんしゅうちゃ)色:茶色系、狩衣は消炭色、袴は雀茶色、袖露はなし。