
毒薬試飲会 008
5.鈴蘭 下017 君を飾れたら、よかったのに。 君を、永遠に閉じ込めて、一生私だけのものに、なればよかったのに。 ――もう、叶わない。 「毒薬試飲会」 5.鈴蘭 下「傷は、もう治ったね」 ノワールがじっくり入矢の身体を眺めてそう言った。全裸に近い状態だけれど、向こうも治療目的ってわかっていたから恥ずかしいとか、そういう気持ちはなかった。「じゃ、またゲーム再開か?」 入矢はなんとなく、そう訊いた。するとノワールが驚いて信じられない目をした。そういうところを見ると本当に自分のことが好きなんだなと思えて入矢はちょっと満足だった。「まだ、逃げるのかい?」「なんだ、また監禁するのか?」「君が、そう……望むなら、ね」 入矢はそこで目を見開いた。ぞっとした。ノワールの纏う気配が一瞬で変わり、目が、入矢を見る視線が変わっていた。穏やかなノワールからあのときのちょっと普通じゃないノワールに。 ノワールは入矢の腕を取ってベッドから立ち上がらせると部屋を出て行く。「ど、どこに……?」 その声に恐怖が混じっていなかったと言ったら嘘になる。入矢は怖かった。監禁されたのが終わって穏やかなノワールとの生活を体験し...