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0番のTEXT

0番のTEXTEpisode.101: 橘 快人の呟き ――俺にとって、兄貴は光だった。 母の、そうだ。母さんの話をしよう。俺が13歳、いやもうすぐ14歳のときに俺は母さんを亡くした。事故だった。母さんは最後まで俺と会話をすることもなく、しかし微笑みながら静かに病院で息を引き取った。 俺は悲しんだし、途方に暮れた。なにせ、俺には母さんしか家族がいなかったからだ。父は俺が小さいときに離婚して消えた。写真はあるが印象はほとんどない。 これからどうするのか、俺はお医者さんが連れてきた市役所だから児童施設だかの大人に連れられて初めて母さんの親戚というものに会った。 母さんは一人立ちするときにほぼ絶縁状態になったと言っていたのでいたことすら、初耳だった。葬式だけは母さんの兄だという叔父が勝手に喪主となり形だけのものがあげられた。 まぁ俺は子供だったし、知識もないから任せる他なかったがせめて母さんの好きな曲くらい流してやりたかった。 そして俺の引き取り先は揉めに揉めた。母さんは貧乏ではないが裕福でもない家に生まれた。幼い頃に習い始めたヴァイオリンだけが特技で好きな事。 バブル時に始めたヴァイオリン...
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なんちゃってアイドル

なんちゃってアイドル1.とある軍人の任務 ここは先進国・マッシャー。国政は普通かつまともに行われている平和な民主国家である。 先進国らしく進んだ技術は軍事産業に利用され、他国に追随を許さない技術大国でもあり、それゆえに他国からのスパイ行為やテロ行為に目を光らせなければならないのが現状である。国家自体はオープンな国なので優秀な人材、マッシャー国の裕福さから諸外国からの人の出入りも激しい現状がある。 外国テロに備えそれ専用の部隊が極秘に結成された。若手だけで結成されたその部隊の若手は、軍事学校の成績優秀者の中でも特別に優秀な者が選出されているのである。エリート集団をそのまま秘密部隊にしたようなものだ。名をアルジス。 秘密部隊・アルジスの隊員は若手の15歳から始まり30歳までで形成されている。若いうちからかなり厳しい訓練を受け、試験に突破できた秀才たちの部隊といってもいい。「極秘任務御苦労さま。長官に報告行ったのか? シャイナー」 ここは、そのアルジスの秘密基地的な場所である。彼らはここをホームとして軍部から処理を任された早急かつ難しい任務に駆り出されるという仕組みである。 そのアルジスの中...