
毒薬試飲会 028
17.ストリキニーネ 緑063 一歩ずつ、進んでいけばいい。 そうしたら、必ずどこかしらには着くはずだ。 ……一歩ずつ、進む事ができたらの、話だけれどね。 「毒薬試飲会」 17.ストリキニーネ【GREEN-side】 ――突然ですが。絶賛、落下中の二人です。 アランもハーンにさんざん言われて第一階層に上る前に、不思議の国のアリスというルイス・キャロルというむっかーしむかしの人が書いた古代の童話の何とかダウンロード版を手に入れて読んだ。 ――感想を一言、変な話だった、以上。 そのアリスの冒頭、主人公であるアリスは白ウサギを追いかけて、兎の穴に落ちてしまう。そこから物語がスタートするのだ。だからといって、そう、だからといってだ!「俺、自由落下に恐怖を感じず、退屈を感じるって初めてだよ」「後にも先にもこれきりだと信じたいがな」 うす暗い縦穴のような空間をずっと落ち続けている。時間で計っていないが、感覚ではもう一時間は軽く超えていると思う。しかも自由落下を続けてはいるものの、その落下速度はそこまで恐怖を感じるほどには速くない。エレベーターでゆっくり下降を続けているという雰囲気だ。この縦穴は先が...