小説

天上の巫女セルセラ

天上の巫女セルセラ 010

第1章 魔女に灰の祈りを010.千夜一夜 事態の概要を把握した一行は、全ての解決に向けて改めて探索を再開する。 ファラダとしては一刻も早く主を助けに行きたいだろうが、彼らが今いる場所は魔王たちの戦闘によって変容した特殊な遺跡の中だ。彼らがこ...
天上の巫女セルセラ

天上の巫女セルセラ 009

第1章 魔女に灰の祈りを009.鵞鳥番の娘 どこか休めそうな木陰を選び、一行はファラダの告白を聞く。周囲には血塗られた釘が生え硝子の破片がきらきらと光っていて落ち着くどころではないが仕方がない。 ファラダはついに重い口を開いて、彼が知ってい...
天上の巫女セルセラ

天上の巫女セルセラ 008

第1章 魔女に灰の祈りを008.復讐者の影 「多少の怪我は魔導ですぐに治してやる。ガンガン行け、ガンガン」「そうしたいのはやまやまですが、こんな罠だらけの遺跡内で無茶を言わないでくださいよ」 ひらひらと手を振るセルセラにタルテが溜息で返す。...
天上の巫女セルセラ

天上の巫女セルセラ 007

第1章 魔女に灰の祈りを007.竜の骨、骸の器 竜の骨格に覆われた古代の小さな街並み。 その中には石造りの住居をはじめ、かつてその街で生きていた人々の生活に必要な機構の数々が、抜け殻のように残されている。 かつての商店や役所、広場に炊事場、...
天上の巫女セルセラ

天上の巫女セルセラ 006

第1章 魔女に灰の祈りを006.旅人たちの事情「あの」 先行して遺跡に入るセルセラたちの背を見送るアンデシンに、受験者の一人が話しかけてくる。 実力者として紹介されたものの、アンデシンの外見は人間で言うなら十代の少年だ。他の強面の星狩人たち...
天上の巫女セルセラ

天上の巫女セルセラ 005

第1章 魔女に灰の祈りを005.賽は投げられた 鵞鳥の騎士が消えた後、竜骨遺跡の様子が変化した。「ちょっと見ないうちに随分とトゲトゲしい見た目になっちまって」 舌打ちするセルセラの視線の先、見る者を異様な風体で威圧する城砦が、まるで最初から...
天上の巫女セルセラ

天上の巫女セルセラ 004

第1章 魔女に灰の祈りを004.異変と邂逅「これはすごいな。歴戦の星狩人(サイヤード)でも滅多にお目にかかれない大物だ」 セルセラに声をかけてきた狩人(サイヤード)が、口笛でも吹きそうな調子で感嘆の声を上げる。「感心してる場合かよ、アンデシ...
揺蕩う闇、彷徨う星

Fatus――揺蕩う闇、彷徨う星―― 01

揺蕩う闇、彷徨う星1.潮騒の客人(まれびと) ――波音が響いている。 彼は一人だった。 暗い海の中を漂っている。 どうして自分はこんな場所にいるのだろう。記憶が大分前から混乱していた。『――忌まわしい』『――の子! お前は――を呼び込んだ!...
天上の巫女セルセラ

天上の巫女セルセラ 003

第1章 魔女に灰の祈りを003.預言者と不死の英雄  ――彼が彼女と出会ったのは、十年ほど前の橙の大陸でのことだった。 春の頃だった。橙の大陸東部地方の名物である桜の花が山々の木々に咲き乱れ、風に吹かれるたびに温かな雪のように降り注いでいた...
天上の巫女セルセラ

天上の巫女セルセラ 002

第1章 魔女に灰の祈りを002.黒と白の神話「ちょっと! いいんですか今のは?!」 性別不詳の聖職者がセルセラに食って掛かる。「仕方ないだろ。それとも僕に素直に奴に血をくれてやれと? 吸血鬼に血を吸われた者もまた吸血鬼になる。お宅が知らない...